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詩(詩集)を読む
詩を書いている人はどのくらい現在活動されている詩人さんの詩(詩集)を読んでいるのだろうか。
実は、私は今まで、そんなに読んでこなかった。一つにはどの詩集を読めば良いかわからなかったこと、もう一つは詩集を買える余裕がなかったこと、そして読むのが極端に遅いこと。だから、知り合いの詩人さんたちの朗読を聴きに行ったり、詩集をちょこちょこ読んでいたに過ぎない。
けど、心を入れ替えて、できるだけ毎日詩を読もうと思い直した。そのきっかけになったのは、去年の現代詩手帖10月号の峯澤典子さんの言葉を読んだからだ。峯澤さんは、好きな詩集として松浦寿輝さんの『冬の本』をあげており、毎日開いて読んでいるために1冊目はボロボロになってしまったと書いてあった。
私にはそんな詩集があるだろうか。そう思って考えたけど、時々読み返したいものはあっても毎日となると、ない。それで早速、現代詩文庫の松浦寿輝詩集を読んでみた。散文詩が多く、シュールな印象だ。私はシュール系の詩が苦手と思い込んでいたのだが、松浦さんの詩の言葉には引き込まれる力があって、たどたどしく読み進めている。
例えば、「書く」という詩は、こう始まる。
紙!はなやかに屹立するこの不毛の一字 わた
しが投錨すべき 不可視の一点 ありえない中心へ
向かって陥没する
かっこよくないですか?
それで私は、今まで自分で壁を築いて「苦手だぁ。難しい。わからない」と手を出さずにいた詩のことが、とっても恋しいと思うようになり、詩(詩集)への手がかりは求めればいっぱいあることに気づいた。今頃〜なんだけど。
私の読みは、まだまだ浅い。今のところ、「良いなぁ。ぐっとくるなぁ」「なんか好き」くらいしか感想がかけないので、読んだ詩や詩集のことをどのくらい書けるか自信がないが、自分用のメモとして、時々note に記していこうと思う。