「女性に何のメリットがあるのか」読めば読むほどわからなくなった1冊【女性たちの保守運動】鈴木彩加著
「なぜ保守主義を持つようになったのか
よくわからない」
保守活動をしている女性たちに対して
率直に感じたことです。
以前、統一教会や日本会議の本を
読んだことがあります。
「男性にとってはメリットが大きい」と感じました。
しかし、女性にとっては、
あまりメリットを感じませんでした。
戦前にあった家父長制度について、
父親や夫にお伺いを立てないと何もできないので
息苦しい印象を持ちました。
それを理想としていると理解しました。
女性にとってメリットが少ないのに、
なぜ保守活動をするんだろうかと
著者同様に疑問に思いました。
論点として2つ取り上げています。
「慰安婦」と「男女共同参画に反対」です。
どちらの話題も、私の理解を超えています。
今回は男女共同参画社会について
取り上げたいと思います。
・なぜ反対?
男性が反対なのは想像つきます。
今まで家事、育児、介護を自分が担わずに
母親、妻、娘、嫁がやってくれていたから
メリットが大きいでしょう。
しかし、この法律で男女関係なく、
仕事も、家事、育児、介護のケア労働もやるという
ルールになりました。
一部の男性は面白くないのが想像つきます。
しかし、なぜ女性たちまで
反対を主張しているのか
釈然としませんでした。
反対している女性について、
著者が取材を重ねています。
・専業主婦のアイデンティティの危機
男女共同参画基本法が制定された1999年は
共働きと専業主婦がほぼ同数でした。
今より専業主婦家庭が多かったのが伺えます。
※参考:厚生労働省サイトより
余談ですが2021年の調査で
専業主婦世帯は23.1%。
共働き家庭が専業主婦家庭を3倍いる計算です。
次男の幼稚園の先生に伺ったら
1号で通ってるお子さんは2割とのことです。
それを考えると、この統計から
大きく外れていないと感じます。
この法律に反対している女性はこんな主張をしていました。
「この法律は、キャリア積んでバリバリ働いている女性優遇。私のような専業主婦は否定された気分」
このような主張をしていました。
今だったら専業主婦の割合が少ないので、
男女共同参画基本法のような法律ができても、
こんな保守活動は起こらなかったでしょう。
そもそも専業主婦の人も
保守活動までする人はそう多くないと感じます。
・現在専業主婦の私が感じたこと
私は保守活動に参加してる女性と同じく
専業主婦です。
しかし、彼女たちに共感はできません。
「家族の結びつきを弱める」とか
「互いが社会的、経済的に自立しているなら
結婚の意味はない」とか主張していますが、
「何を根拠に言っているんだろうか」と
違和感があるからです。
「頭の硬い男性のセリフ」と思ったくらいです。
わざわざ男女平等を謳っている法律を
反対する気にはなれません。
ましてや、保守活動をしている団体に
参加するなんて。
・感想
一般的な保守活動の本とは違う視点で
ユニークに感じました。
女性に特化しています。
そもそも著者は別の章で
日本国憲法を変えたり、
戦前の家父長制度が理想としたりする主張は
そもそも保守なのかと疑問を呈しています。
それは「反動」ではないかと指摘しています。
SNS 上で「今の日本に本物の保守はいない」と
言い切っている人を見かけます、
ある意味間違いではないのかもしれないとさえ思いました。
読んでみたものの、
「何それ!?」と頭の中が大混乱。
それでも保守や右派について知りたい人には
興味深く読める一冊です。
「よくここまで書いたものだ」と感心しました。
以上、ちえでした。
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