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学生時代に感じた「意味不明な校則」の理由がわかった本【激動日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972】池上彰、佐藤優著

子どもの頃、東大安田講堂事件の映像を見て
「この人たちが熱くなって、燃えてるの?」と
思わず言ってしまいました。

それを聞いてた兄は「いやいや、そんなわけない」と苦笑しながら突っ込みました。

東大だけでなく、慶応大や日大でも大学のやり方に対して「No!」と声を上げていたことを知りました。 
慶応大では学費の値上げ、日大では用途不明金があったことがきっかけで学生運動が起こりました。

今となっては、信じられません。


・校則にあった理由がわかった

中学・高校のときにこんな校則ありました。
「政治活動を禁止する」
当時は、意味不明でした。

この本を読んでみて、この時代の状況を反映していることに気づきました。

今は、投票率が低く、政治への関心も薄いので、
当時とは違います。
変更の余地があると思います。

・命を凌駕する思想の力

途中から対立党派の人や身内を殺すような人が出てきました。
「裏切り者を殺す裏社会の人たち」というのが率直な感想です。

私の周りにも「左翼自体危険なもの」と言い切っている人がいます。

立ち上げたときは崇高な理念があったのに、
次第に権力に対するテロリズムになって行く様子を見て、恐怖を感じました。

影響を受けることで、自分の命を投げ出しても構わない、そしていざとなれば自分だけでなく他人を殺すことも躊躇うまいと人に決意させてしまうほどの力を持つ思想というものが現実に存在することを知ってもらいたい。

激動日本左翼史 学生運動と過激派  p180  佐藤優氏の発言

5、60年も前にこんなことが日本で起こっていたことに驚きました。
繰り返してほしくないと私も願います。

・政治の話題が敬遠されることに

革命については、パリの五月革命を取り上げていました。
それ以降、女性の権利向上に寄与したからです。

一方、日本の左翼の活動については、残念ながらプラスに働いたものがないと感じました。

現代の日本にも影響しているのが、
国民の政治・社会問題への無関心です。
自分たちの生活とは関係ないと切り離しています。

私たち国民が政治に関心を示さなかったがゆえに、
様々な問題が起こっていると実感します。

・感想

「左翼なんてろくなもんじゃない」
私より年上の人たちからよく言われました。
具体的な労働組合の名前を出して「彼らが日本をダメにした」と言う人も少なくありません。

選挙の時期に「みんな選挙に行こうよ」と呼びかけても、一向に投票率が上がりません。
政治や社会問題に無関心になったことが一因になってるとしか思えませんでした。

当時のことを、経験者として語ってる著者2人の話は貴重です。
次第に経験者はいなくなっていきます。

私たち含めてこの歴史を知らない世代の人たちが、知らないが故に、また大きな過ちを犯さないだろうかと考えさせられました。

歴史を学ぶだけではなく、今の政治と密接に繋がっていることを実感します。
「あ、そういうことか」といろんなことが繋がりました。

以上、ちえでした。
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