発達障害の子どもがいる母親が考える「AV女優に求められる意外な条件」とは【「AV女優」の社会学】鈴木涼美著
AV女優についての本と言われると
『職業としてのAV女優』を思い出します。
上記の本は貧困を連想させられます。
一方、今回読んだ本は別の視点で語られています。
元AV女優で作家でもある著者が
AV女優たちが饒舌に自分語りをすることに
興味を示しています。
AV女優をやめた後に大学院に進学しました。
博士論文をもとに書かれたそうです。
経験者が書くだけあって生々しいです。
読んでいる最中に、あることに気づきました。
・空気を読むようになる
はじめはよくわからなかった新人女優も、
次第にどんな立ち振舞いが求められているかを
空気を読んで察する話が印象的でした。
「空気を読んで察する」という話に
「発達障害(特に自閉症スペクトラム障害)のある人が向いていない仕事」と感じました。
自閉症スペクトラム障害の性質で
「空気が読めない」という特徴があります。
応募条件になっていないとは言え、
苦手である空気を読んで察することを
要求されます。
幼いうちに特性がわかった人が職業に
AV女優を選ぶ可能性は低いでしょう。
一方で、特徴が目立たなかった人が
AV女優になる可能性は少なからずあると考えました。
・インタビューにも反映
「なぜAV女優になったのか」
「どうして続けているのか」
この仕事をしていると次第に
その理由を求められることを指摘しています。
語るエピソードの内容も
「ファンや業界関係者は
こんなことが求めているだろう」と
察して変化していく様子が伺えました。
新人の単体女優※なら、
美しいルックスと若さで通用するかもしれません。しかし、ある程度キャリアを積むと、
通用しなくなってくるとのことです。
「まるで芸能人みたい」と感じました。
芸能人も同じことばかりやってたら飽きられるから
徐々に変化していくイメージです。
・感想
以前読んだ本では、AV女優などの性産業と貧困が結びついているイメージがありました。
しかし、こちらの本は経済的な話は
あまり触れられていません。
それよりも、彼女たちが語る言葉に注目しています。
「空気を読んで察する力がないとやれない仕事」という印象が強く残りました。
自分の立ち位置とか、業界関係者やファンが求めているものとか。
無理をして体調不良になった
元AV女優の話も出てきました。
「これが求められているだろう」と察するのは
精神的労力が大きいと実感させられました。
肉体労働だけでなく、
感情労働の要素が強い仕事と感じました。
以上、ちえでした。
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