祭りは不要不急ではない【「鬼滅の刃」に学ぶ】一条真也著
著者は結婚式場や葬儀会館を経営しているので、
お祭りや日本の行事について主に語っています。
鬼滅の刃は社会現象にまでなりました。
映画の観客動員数の記録を塗り替えるなど、
経済的にも大きな影響を与えました。
しかし、著者は、
「社会的現象にまでなった要因が別にあるはず」と語っています。
・中止になった祭り
私は福岡県民です。
お祭りと言って最初に思い浮かぶのは
「博多祇園山笠」です。
博多から離れた地域に住んでいますが、
それでも6月、7月になると
「山笠の季節が来た」と思うくらい。
8月になると近所の花火大会が開催。
2022年は少しずつ再開してますが、
2020、21年は中止のお祭りが多数。
山笠も、2020年は延期、
2021年は飾山の展示のみでした。
飾り山を作ってる職人さんが
テレビのインタビューを受けてましたが
「山笠がない夏なんて初めてだ」と
戸惑いの表情が伝わってきました。
私は、福岡県に合計13年住んでます。
実は追山を見に行ったことがありません。
大学時代に福岡市に住んでいましたが、
それでも会場の近くにホテルを取らないと
間に合いませんでした。
生で見るなら、ホテルを取って
準備をしたいと思います。
・日本の伝統行事
子供の時から親しみはあったものの、
詳しいことは知りませんでした。
疫病を祓うためのものが多いと言われてます。
代表例は2月の節分の豆まき。
江戸時代には梅毒、
明治・大正時代には結核など
感染症が流行ってました。
その疫病の多くは
外国から入ってきたものが多いです。
「鬼は外」と言いますが、
国外へ追い出すという説もあります。
子供の時から疑問を持たずに
行事を楽しんでいましたが、
意味が込められていることを知りました。
「自分って日本人のはずなのに、
あまり日本の伝統行事など知らない」と実感。
・日本文化を知らない日本人
特に感じたのは、
第一希望の国立大学の二次試験を受けた時の話。
英作文の問題ですが、
「お正月のついて説明せよ」でした。
あまりにも当たり前すぎて
考えたこともありませんでした。
初詣に行っておせち料理やお雑煮を
食べるくらいのイメージ。
思いつく限りの単語、文章を並べるだけでした。
ある時、 Twitter で流れてきた投稿に
目が行きました。
「英語力以前の問題だよね」と感じました。
その内容ですが、
日本の文化に詳しいブラジル人に
「相撲のルールを教えてくれ」と言われて
困惑したというエピソードでした。
私も同じことを感じました。
・コロナウイルスがもたらしたのは、病気だけではない
コロナウイルスについて、
肺炎などの体調不良を起こすだけの
ウイルスではないと著者。
儀式を葬るウイルス、人生を葬るウイルスと定義。
祭りは祖先を供養したり、
疫病除去の祈願のために行われてきました。
2020年に流行してから
多くの祭りが中止に追い込まれました。
その理由は「感染症の原因は密になること」と
されたからです。
更に2020年の5月頃に緊急事態宣言が出て
自粛を強いられました。
生活必需品を買いに行ったり、
通院するなど一部を除いて
「不要不急の用事は控えるように」という雰囲気が広まりました。
祭りはまさに「不要不急」と
判断されてしまいました。
しかし著者は、「冠婚葬祭など心を安定させるために存在する」と主張。
それをできなくなってしまったので、
人生を葬るウイルスと定義しました。
・感想
祭りの話から
「鬼滅の刃」が社会現象になった理由を
考察されていととても興味深かったです。
祭りは不要不急とことで中止になったものの、
人間には祭りが必要と主張。
心の支えである祭りがなくなった代わりに
『鬼滅の刃』に向かったのではないかと
推測していました。
自分の住んでる地域の祭りについて、
もう少し関心を持とうと思いました。
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