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なぜ人は悩むのか【歴史思考】深井龍之介著

国も時間も広い視野で見れると
悩み事も減るものかと感じました。

最近、学びなおすために
高校の「日本史A」と「世界史A」の教科書を購入。
私が高校生のときに使っていたのは、
「世界史B」で、情報量が多い印象でした。

日本史Aの教科書で驚かされたのは、
2004年の芥川賞の写真が載ってたことです。
当時、綿矢りささんと金原ひとみさんが
W受賞したときの写真です。
「まるで昔の新聞やワイドショーを見てるみたい」と感じました。

それと同時に
「あれ?当時と今の当たり前が違う」と
違和感がありました。

その違和感こそが「私たちの当たり前」が
歴史的には当たり前でないことを
理解するきっかけになります。


・同性愛は特殊でなかった!?

昔は女性や子供に自己決定権はなかったので、
史料に残ってるのは男性に関するものがほとんど。
戦後に「キンゼイ・レポート」が出るまで
「女性は性欲を持たない」と考えられてきました。

今ではLGBTQが言われてますが、
そもそも同性愛が悪いことと見なされてきたのは
キリスト教など一神教の世界です。

日本には明治時代に、
欧米の文化が入ってきたので
今の価値観はその頃からです。

どこかの政治家が主張する「伝統的家族観」は
明治時代からの話と見なしたほうが良さそうです。

・イエスも孔子も死後こうなるとは思わなかった。

イエス・キリストは処刑されましたが、
キリスト教は今や世界中に広まってます。

特にアメリカやヨーロッパの世界について
キリスト教抜きでは語れないくらいです。
我が国日本にも入ってきてます。

孔子についても、
儒教が長く中国社会に影響を与えました。
1905年に廃止されるまで
1300年以上も続いた科挙がいい例でしょう。

日本でも、江戸時代は朱子学が盛んでした。
国語の授業でも論語が出てくるくらいです。

1000年先の未来で、
自分の教えが世界中で広まっているとは、
生きていたときは考えもしなかったでしょう。

このエピソードから、
「たった、10年や20年の短期的なスパンで
人間の評価を下すことにあまり意味はない」

学びました。

・現代はこんな時代

「生き方を決めなければならない」時代が
まさに現代。
昔なら一つの価値観が
100年単位で通用したかもしれません。

しかし現代では、
100年どころか数年単位で変わる時代です。
特定の価値観に依存しない方が楽かもしれません。

生き方を決めるためには、
古典や教養が必要と著者は主張。
先人から知恵を学ぶことで、
ヒントになるとのことでした。

・感想

歴史を学んでたときは
「面白いけど、なぜわざわざ学校で学ぶんだろうか」と疑問に感じました。

本書に登場したのは
イエス・キリスト、孔子、ヘレン・ケラー、
則天武后、カーネル・サンダース、
マハトマ・ガンジーです。

名前は全員知ってます。
しかし、彼らの生きてきた時代の背景までは知りませんでした。歴史に名を残していても、生前は順風満帆に生きていたわけではないと感じました。

悩みを解決する方法で、
言語化する手段があります。
歴史を知るのも、同じくらいの解決手段になりそうです。

「なぜ昔のことを勉強しなきゃいけないの?」
そう子どもに聞かれたら、
「口コミや体験談を読むことがあるでしょ?
そこから学ぶようなもの」とでも答えるでしょう。

視点がとてもユニークで楽しめました。

以上、ちえでした。
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