日常生活を面白く表現している人気作家から学んだこととは【お友だちからお願いします】三浦しをん著
特に著者のファンではなく、
『舟を編む』などの作品を
読んだこともありません。
先日読んだ書評集が思いの外面白かったため、
こちらの本も手にとって読んでみました。
・ネタの大半は日常生活
雑誌や新聞に載っていたエッセイが大半なので、
一章あたりは短く、気楽に読めます。
読んでいて、何度も「クスッ」となったり、
思いっきり吹き出したりすることもありました。
そのネタを見ると、特別なことではありません。
ごくありふれた日常生活でのエピソードです。
・笑ってしまったエピソード
数々の笑ってしまったエピソードがありますが、
断トツなのは「病院てんやわんや」です。
著者が病院に受診したときに居合わせた
2歳の男の子が出てきます。
はじめは「お母さんが病院に用事があって、
男の子は仕方なく連れてこられたんだろう」と
予想していました。
実は、患者は男の子の方で、
頭にぶつけたとのことです。
著者がいた診察室の真上にレントゲン室があり、
そこから大騒ぎをする声が聞こえてきたそうです。
このエピソードを読んで、
暴れん坊次男を思い出して、笑いこけました。
「うちだけじゃないんだなぁ」と共感しました。
・面白いセンサーの感度が高い
同じエピソードを著者以外の人が経験しても
こんな気づきはなかったでしょう。
そもそも、出来事自体を
気づかない可能性がありそうです。
お笑い芸人に対して
「彼らはよく面白いことがが起こっている」と
指摘する人を見かけます。
私もトーク番組で見かけて、
「よくこんな面白いエピソードがあるものだ」と
感心しました。
著者に対して、同じ印象を受けました。
ある時、たまたま立ち読みをした本に
こんなことが書かれていました。
「彼らだけに面白い出来事が
起こっているわけではない。
起こった出来事から面白さを見出して
話しているから面白くなる」
この文章を見て「なるほど!」と感心しました。
面白いことは自分で見つけ出せないといけないと
気づきになりました。
・感想
著者に対して、ネタ探しの感度が
一般的な人より高いと感じました。
職業柄、エッセイを書くことがあるから、
ネタを探そうとしているのもあるかもしれません。
これだけ、日常生活から気づきを得ているから
面白い小説を書けるのかもしれません。
タイトルの「お友だちからお願いします」に対して
「なれるわけないだろ、ごるぁ!」(p288)と
自身で突っ込んでいるのに笑いそうになりました。
以上、ちえでした。
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