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老後にあったらありがたいと思う居場所【よむよむかたる】朝倉かすみ著

「生きがいは大事」
平均年齢80代、92〜78歳の
読書会のメンバーを見て、
そう思わずにいられませんでした。

どんなにいろんなことがあっても、
読書会にいる時は楽しんでいるように見えました。


・老いは避けられないと思った瞬間

「皆、いずれ年を取る」

読書会のメンバーを見て
そう思わずにいられませんでした。

主人公安田は、前の店長である
叔母の美智留から喫茶店を託されました。
読書会は、叔母が店長をやっていた時から
行われています。

読書会については手厚くもてなすこと、
ルールに口出ししないようにと言われています。

「ルールに口出ししないように」の一言に
「自分たちの感覚を押しつけたらいけない」という
言外の意味が伝わりました。

平均年齢80代のメンバーにとって
変化に対応するのは難しいと感じました。

・体を張ってでも行きたいところ

重い糖尿病を患っていたり、
癌の緩和治療を受けていたりする
読書会のメンバーもいました。

会長は糖尿病なのにお菓子を食べるので、
娘から注意されていました。
糖尿病が悪化して入院する話も出てきます。

会長が転んでたんこぶができた時に、
娘は参加するのを止めました。
しかし、頑として行くことを譲りませんでした。

他のメンバーも同じです。

あるメンバーは、(体力維持のために)体操に行くように言われていました。
しかし「読書会がないなら体操は行かない」というシーンがありました。
それだけ読書会が楽しみというのが伝わりました。

・1人の人間である

読書会ではどの参加者もフラットになります。
仕事の役職や、母親や父親などの役割から解放されます。

20周年の記念冊子で、
メンバー1人1人の思いが明かされました。
その中でマンマの言葉が印象に残っています。

私は、読む会のメンバーの「その人でしかなさ」に触れ、どの人も、どこかにカケや傷を持っていると気づかさりました。

よむよむかたる p282

マンマは離婚歴があります。
夫の甲斐性なしの本性が出たのをきっかけに、
息子が小学生になる前に離婚しました。
「3つのお揃いのお茶碗が欠けてしまった」と思い続けていました。

・感想

高齢者の読書会という題材に興味を持ちました。
ユニークと思いました。

当たり前のことだけど、
何歳になっても1人の人間ということを実感。

どんな人生を送っていても、
老いは平等にやってくるし、
病気を完全には避けられないと学びました。

それでも読者会のような生きがいがあると
生活の質は変わると彼らを見て思いました。

もし彼らと同じくらいの年になって、
こんな読書会があったら参加したいです。

以上、ちえでした。
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