原作との違いに戸惑った話【映画『本心』】
以前、原作の『本心』を読みました。
あまりにも濃厚な作品だったため、
感想文を4本も投稿することにになりました。
その作品が映画化されるということで
楽しみにしていました。
今日は次男のリハビリがあるので、
いつもより1時間早く
お迎えに行かないといけませんでしたが、
運の良さが重なり、行けることに。
1つ目は、彼の療育先から近い映画館で
上映してました。
この映画館では希望の映画がやってないので、幸運です。
2つ目は、ピッタリな時間帯がありました。
朝一では送迎で間に合わないですが、
その次の時間なら合いました。
3つ目は、おまけですが、
サービスデーのため映画料金が安かったです。
行くしかないと思いました。
行ってよかったです。
・原作との違いに戸惑う
「あれ?こんな設定あったかな?」
映像化あるあるかもしれませんが、
何度思ったかわかりません。
ネタバレになるので詳述は避けますが、
原作に出てない人が登場したり、
原作では一度しか登場していない人が
頻繁に登場することもありました。
・主人公がはまり役
主人公の石川朔也を演じた池松壮亮が
あまりにもピッタリ過ぎて驚きました。
原作を読んでから、純粋で、優しく、不器用な印象を持ってました。
そのまま表れていました。
母親役の田中裕子、三好彩花役の三吉彩花も
イメージ通りでした。
「妻夫木聡や綾野剛はどこに出てたのか!?」と
馴染みすぎて、エンドロールを見るまで気づきませんでした。
見終わった後に、公式サイトを調べたくらいです。
・あなたに見えているのはほんの一部
朔也は、長年一緒に暮らしてきた母親のことは何でも知ってると思っていました。
しかし、母親の職場の同僚である三好彩花が見える母親像は違います。
三好彩花には、朔也の出生の話や
自由死を希望していた話していました。
自分の出生について明かされた時、
朔也は彩花に対して
「VF(バーチャルフィギュア)が不具合を起こしている」と受け入れられない様子が見られました。
妻夫木聡が演じるVFの制作者野崎が
「本当のお母さんはこの表情だろう」と
元の写真に比べて笑顔が少なくなった画像を
朔也に見せていました。
・感想
原作がかなり長いため、「どうやって2時間にまとめるだろうか」と気になりました。
予想通り、かなり端折っていました。
映像化する性質上、原作から感じ取っていた
心の葛藤が抜け落ちているように感じました。
「なぜこんなことをしたのかわからない」というようなモヤモヤ感がなくなりました。
相手の知られたくない過去を
軽々しく第三者に話しているのが気になりました。
原作では、朔也が高校退学の原因になったのは、
ある女子生徒の退学に抗議して
座り込みをした末の自主退学でした。
特に恋愛感情があるわけではありません。
本人もよく理由がわかっていない様子でした。
ネタバレになるので詳述しませんが、
映画では戸惑うくらい設定が違います。
物語や設定が原作と違って戸惑ったものの、
映画で流れていた音楽や俳優さんたちは
素晴らしかったです。
「リアルアバターについてどう思うか?」
「自由死をしたら、遺族への見舞金や税金の優遇があるのはどうなのか?」
「AIの技術で死者を復活させることは可能なのか?」
原作同様、そんな問いを突きつける作品でした。
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