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仲良くするのが全てではない【伝え方の作法】池上彰、佐藤優著
「好かれてはいけない人に嫌われる方法も
コミュニケーション術に入るんだ」
大きな発見です。
一般的にコミュニケーション術というと
円滑な人間関係を築くイメージが強いです。
人に好かれてナンボという感覚です。
好かれてはいけない人にいかに嫌われるかというのも必要だと学びました。
・気づき1.リモートであぶり出されたもの
リモートだから、上半身しか映らないので、
上はスーツ、下はジャージというウェアが
販売されていたことを思い出しました。
学校や職場に行ってたときなら
あり得なかった服装です。
著者の池上彰さんも佐藤優さんも、大学で教鞭とっています。
お二人のリモート授業のエピソードが生々しかったです。
一部の会社によっては、ビデオをオンにするのを強制してると聞きます。
「出社している時は顔を見合わせてるんだから、当たり前のこと」と経営者の方は言っていました。
大学はそこまで徹底されていないと思いました。
「ビデオをオンにできないような服装をしているんだな」と察すると佐藤さん。
池上さんについては、授業開始時には、一度ビデオをオンにして顔見合わせて挨拶。
授業終了後、しばらくそのままにしておきます。
出席している人ならすぐ退出するでしょう。
しかしその場にいない場合は、退出しないそのままになっているとのことです。
…罠を仕掛けられてるような気分でした。
普通に出席している人なら、問題が起こらないでしょうが。
「見えないからと言って手を抜くとそれが浮き彫りになる」と実感しました。
・気づき2.好かれてはいけない人間もいる
これが一番の盲点でした。
コミュニケーション術というと人に好かれてナンボという印象が強いです。
男女問わずストーカー気質の人はいますよね。
元交際相手からのストーカーで殺人事件が起こったニュースを見聞きします。
こういう人からいかに嫌われるかというのも
必要かもしれません。
・気づき3.1つの嘘でも大変なことになる
ある映画が例に出されてました。
年齢1つ誤魔化しただけで、嘘を重ねないといけなくなるという話でした。
日本だと、年齢を1歳でもさば読むと干支を聞かれた時にばれてしまいます。
「干支は何?」
「西暦何年?和暦は?」
余程設定を練り込まないと、バレてしまいます。
一つの嘘がこんなことになるとは思いませんでした。
・Todo1.見えない部分の装いに気をつける
リモートになったからこそ、見えない部分の装いに気をつけないといけないと感じました。
私も時々リモートを利用します。
さすがにスッピン、寝巻きで、利用することはありません。
以前読んだ本で、「リモートでも着替えて、お化粧をきちんとしたほうが仕事が捗る」ということが書かれてました。
その影響もあり、リモートでも外出できるくらいの格好をしてます。
・Todo2.直感を信じる
「この人、なんかヤバイ」
なんとなく感じることはないでしょうか。
この直感は大概当たるそうです。
男女の仲だけでなく「今度事業一緒にやりましょう」と絡んでくる人も然りです。
ある大物政治家は面会するにしても、その可否を即答しなかったそうです。
政治家の場合、変な人間と関わったら仕事がなくなってしまいます。
旧統一教会がいい例でしょう。
関わる人に対してより慎重だったのが伺います。
・Todo3.基本は嘘をつかない。
本書でもやむを得ない時は除き、
嘘をつかないのが無難とのことです。
佐藤さんは外務省に勤務していた頃、
部下に「FAX はしたか」と聞いていたそうです。
「まだです」と正直に言う人と
「送りました」と嘘をつく人と分かれたそうです。
些細なことだけど、嘘ついたらややこしいことになると感じました。
・感想
平時のコミュニケーション、有事のコミュニケーションという発想が面白かったです。
それぞれ以下のように定義。
・平時のコミュニケーション…相手と仲良くする。
・有事のコミュニケーション
…状況によっては強く出たり、相手の懐に飛び込んで得体情報を引き出したり、言うべきことをはっきり言ったりする。
平時のコミュニケーションについては池上さん、
有事のコミュニケーションについては佐藤さんが
解説していました。
本書自体は対談形式です。
数々の修羅場を乗り越えてきたお二人の話は
とても面白かったです。
他にも、相手の話の腰を折る方法について、コーヒーブレイクなどが紹介。
静岡県知事とJR東海の社長がリニア新幹線を巡って話し合った時のエピソードが紹介されていました。
リニア新幹線を通したいJR東海。
それを突っぱねたい静岡県知事。
両者は平行線です。
JR東海の社長がヒートアップすると
知事の秘書がお茶を持ってくるというシーンがありました。
マスコミに公開されましたが、
「どうせ今日を決める気はないんだろう」
という空気が流れていたそうです。
しかし、お二人は別の目線で興味深く見ていました。
一気に全てのノウハウを試せないので、
少しずつ試してみたいです。
以上、ちえでした。
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