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薬剤師の私が、他人事と思えずに読んだ1冊【子どもが本当に思っていること】精神科医さわ著
著者のお母様と私は同業者です。
「著者のお母様がみたいになっていないか」
そんなことを思いながら読みました。
長男の妊娠中は、子育てに関する本を片っ端から読んでいました。
「この人のご両親は、どんな育て方をしたんだろうか」
「どんな接し方をしたんだろうか」と気になりました。
子供の才能や得意なことを伸ばして
活躍できたらいいなあと思っていたからです。
しかし、それも行き過ぎたら危ないと
改めて気づきました。
・「できて当たり前」と思いがち
正直、自覚はありませんでしたが、
周りの人から
「あんたは十分高学歴だよ」と指摘されました。
私を含め高学歴親と呼ばれる人たちは、
勉強面でそこまで苦労しなかった印象です。
無意識のうちに
「こんなのできて普通でしょ」と
思っていたかもしれません。
小学校から高校の間に
宿題をしなかったり、
勉強ができなかったりする同級生を見て
「なんで、この程度のこともできないんだろうか」と失礼ながら思っていました。
それが親が我が子に対して感じたら
子どもは逃げ場がありません。
それを自覚するまでに時間がかかりました。
・教育虐待を回避した理由
「教育虐待」という言葉を聞くようになったのは、
長男が生まれてからです。
殴ったり蹴ったり、
暴言を吐いたりするような虐待とは違って
一見分かりにくいと思いました。
『光のとこにいてね』の結珠の境遇を
思い浮かべずにいられません。
もしも私が受験戦争の激しい都会に住んでいたり、
息子たちの発達障害と知的障害が指摘されていなければ、やりかねなかったと感じます。
歯止めがかかったのは長男が2歳の頃に、
知的の遅れを伴う発達障害と診断されてからです。
そこで医師から言われたことは、
「普通の子よりできないことが多いので、
周りの大人から叱られがちです。
どうか些細なことでも褒めてあげてください」です。
この言葉を聞いてから、
できることかも少しずつ増えればいいと
気楽に考えるようになりました。
そもそも私の住んでる地域は、
都会に比べて受験戦争が激しくありません。
「あの子が中学受験するから自分も」とは
なりにくい環境です。
息子たちの特性と
今住んでる地域の影響もありますが、
それ以外にも理由があります。
・小中高学費計50万円でハーバード大学へ
妊娠中に廣津留真理さんの本を読みました。
娘が公立の小中高の学費合計50万円、塾なしで
ハーバード大に進学した母親です。
この本がきっかけで、
教育費へのかけ方を考えるようになりました。
お金が有り余っているような家庭ならまだしも、
ごく一般的な収入の家庭で、
大学の学費に匹敵するような塾代を費やすことが
ベストなのかと疑問を持つようになりました。
・期待よりも応援する
期待は、自分の思い描いた通りに相手をコントロールするのと同じと気づきました。
それに対して応援は、言われた側が主役です。
息子2人に対して期待はしていません。
しかし、周りの子と比べて
できないことが多かろうと成長が遅かろうと、
彼らなりに自分の人生を生きられるように
応援したいです。
・感想
著者の境遇を聞いて、学生時代の後輩の話を
思い出さずにいられませんでした。
彼のご実家は病院を経営しています。
「何が何でも医者になってもらわなきゃ」と
お母様に言われたということを話していました。
五浪目で、一度私と同じ学部に入学しました。
しかししばらくして休学、2年後復学しました。
現在は薬剤師として働いています。
彼のエピソードがとても強烈でしたが、
多かれ少なかれ似たような話はよく聞きました。
著者が娘さんに対して、公文やバレエなど
いろんな習い事をさせていたことが
明かしていました。
自分がそうされて育ってきたからとのことです。
他のやり方を知らなければ、
自分が育てられた通りのことしかできません。
そのやり方が、自分の子に合っていれば問題ありません。
しかし、合わなかった時はどうしようもありません。
「自分が育てられたやり方が、
この子に合っているのか?」と
疑ってかかるぐらいがちょうどいいと思いました。
その疑うきっかけを作るためには、
長男の出産までに
いろんな人の本を読んだのはよかったと思います。
以上、ちえでした。
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