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高学歴でしくじった人が、人生を好転させるために必要なこととは【高学歴難民】阿部恭子著

あるコミュニティの仲間が紹介していた1冊です。

事例を見ると、
人文系や法科大学院など
文系出身者が目立ちます。

中には海外留学したものの、
職を得られずに帰国した人たちも出てきました。

それに対して、
医師や薬剤師など国家資格に合格できずに
何年も浪人している人たちは出ていません。
卒業していないから対象外でしょうか。

医療従事者だけでなく、
理学部、工学部などの
理系の研究者も出てきません。

著者が法学系の出身者ゆえでしょうか。
理系出身者と接点があまりないだろうかと
感じました。

事例が30世帯ほど出てきます。
救いがあったのは、新たな道を見つけて歩み出した人がいることです。

新たな道を見つけられた人とそうでない人は
何が違うのか考えてみました。


・周囲に助けを求められた

これができるかどうかで変わると実感しました。

・求められなかった事例

金銭的に追い詰められて、
振り込め詐欺に加担して逮捕された事例です。

博士課程修了後に、大学で非常勤講師や専門学校で講師をしていた男性です。
妻から「早く子どもがほしい」とせがまれました。

産後に妻が体調不良になったため、
論文を書きながら、
子どもの世話をすることになりました。
金銭的に困窮しているのに、
アルバイトは増やせません。

そこで短期間で稼ぐために
振り込め詐欺に加担しました。

1年半刑務所で服役した後に出所。
「ここまでなる前に、不安な気持ちを妻に話せばよかった」と後悔していました。

・求められた事例

海外生活を経て、地元で英語教室を経営していた女性の話です。

3回目の結婚で、オーストラリア人の夫がいました。
しかし、夫は教室に通う女子生徒の母親から
訴えられました。

「娘が性被害が原因で精神疾患になった」
「都会に引っ越して治療をするから200万円払え」
「払わないなら訴える」

知られてしまったら、この家に住めなくなります。
そんな状況なのに女子生徒のことばかり心配する
夫に愛想を尽かし、家から追い出しました。

最終的に夫は亡くなりましたが、教室は続けました。
幸い、弟夫婦がアメリカから帰ってきたため、
しばらくは一緒に運営していました。

教室は弟夫婦に任せて、
スーパーの正社員になりました。
新たな目標ができたそうです。

・比較して感じたこと

後者の事例は弟さんが帰ってきたのが幸運でした。
一緒に運営してから好転したように見えました。

前者の男性の件は、
自分の家族に相談するのは難しくても
自治体などの子育て支援を
調べなかっただろうかと思いました。

・別の世界を知ることができた

司法試験に挑戦して失敗した男性の事例です。
最終的には、別の仕事を見つけました。

働いていた法律事務所で
弁護士になった自分の後輩と再会。
「せめて「さん付け」で呼んでください」と言われたのがきっかけで、やめることになりました。

一度実家に帰ったものの、居づらかったため
東京にいる兄の職場で働くことになりました。

車の運転が趣味なのに、
東京に来たらできなくなりました。
兄からの提案で、タクシー運転手になりました。

いろんな出会いがあり、出身大学のコミュニティが気にならなくなったそうです。

別の世界を知るのも、
難民から抜け出すきっかけになると実感しました。

・感想

「誰かに助けを求める」
「別の世界を知る」

自分1人で何とかしようとしても
限界があると感じました。
彼らの場合、プライドが高いので
人に頼るのが難しそうですが、
できた人から好転していると気づきました。

頼るのが難しいなら、
今と違う環境に行くのも
選択肢の1つかもしれません。

人との関わりが高学歴難民から抜け出す鍵と
彼らから学びました。

以上、ちえでした。
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