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山を守るために奮闘している人がいると学んだ一冊【屋久島の山守 千年の仕事】髙田久夫著、塩野米松(聞き手)
「屋久杉を伐採していた時代があったんだ」
この事実に驚きました。
小学生の頃に屋久島に行ったことがあります。
祖父母の知り合いの大工さんが
屋久島に別荘を持っていたため、
訪ねることになりました。
屋久島が世界遺産になったのが1993年なので、
訪れた時は既に観光地になってました。
縄文杉は山の奥の方にあり、
小学生の私や兄が行くのは難しいと判断されたため、見ていません。
当時、弥生杉を見に行った記憶があります。
規格外の太さと大きさの杉に驚かされました。
三浦しをんさんの書評集に載っていたのを見て、
旅行に行ったことを思い出しました。
屋久島の自然を維持するために
働いている人がいるのを知りました。
・屋久島の山師
17歳から73才の執筆時点で現役で働いていました。
※出版は2007年。2013年没。
山師とは、山の木を伐ったり、搬出したりします。
著者は若い頃、キヨセ(木寄せ)という
トロッコまで木を運ぶ仕事をしていました。
内地と違って屋久島は勾配が大きく、
滝みたいな川が多かったため
川で木を運ぶことができません。
そのため、トロッコで運んでいました。
・体で学ぶ著者、頭で考えるお役所
素人は頭で考えるから、何もかも傷めんとうまいこと倒せるもんだと思うてるんですな。それで説明しても、わからないのよ。して見せてはじめてわかってくるんだから。
長年山で木を伐ってる著者と、
机上の空論でルールを決める役場。
「こんなやり方は上手くいかない」と
所々に苛立ちをあらわにしている場面が出てきます。
そんな様子を見て
「現場に詳しい人の話をなぜ聞かずに
現場のルールを決めるだろうか?」と
違和感がありました。
・誰でもできる仕事ではない
木を伐り倒す時、プロは横に倒す。
受け口の35°、直径の3分の1切る。
伐り方を言葉にしながらも、
それだけでは最初から
上手くできるわけではないと感じました。
著者によると、口では教えられない、
経験と勘があるとのことです。
技術を身につけるもの時間がかかりますが、
肉体労働なので体力がないとできません。
普通はある程度の年齢が来たら定年になりますが、
「後継者が不足しているのでやめないでくれ」と言われるそうです。
どちらを考えても、誰でもできる仕事ではないと実感しました。
・感想
著者に本を書くように提案したものの
「学がないから」と断られたそうです。
聞き手の塩野氏がインタビューをして
それをもとに書籍化しました。
著者は1934年生まれ。
第二次世界大戦を経験しています。
母親が家出したり、
父親が高血圧で
1年間寝たきりになったため介護をしたりと
苦労が窺えました。
「この年までよく山で仕事ができているなぁ」と
感心しました。
以上、ちえでした。
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