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盲点だった!人を堕落させる思わぬ方法【秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚】木下昌輝著
「この人を主人公にしたら面白かったかも」
作品に関する記事や、
他の読者の感想文を読むとよく出てきます。
その人物は唐国屋金蔵です。
彼は架空の人物です。
藍の取引に関わっていた大阪の商人で
元盗賊という経歴があります。
本作品では悪役として登場していますが、
示唆に富む発言をしています。
・「高値で買います」に注意
売る側の立場に立ったら、1円でも高く買ってくれる人に売りたいと思うのが人情でしょう。
しかし、これには巧妙な罠が仕掛けられていると
金蔵は明かします。
「(前略)
なんでかっていうと、人間ってのはね一度贅沢を覚えると、なかなかそれを捨てれるのです。
(中略)
そのええ暮らしの蜜を散々味わって元に戻れんようになってから、通常の値に戻すんですわ。するとね、人間はアホやから、元の貧しい暮らしによう戻れんのです。(以下略)」
国やどこかの地域を支配するやり方に、
敢えて高値で買って堕落させる方法があるのかと
恐怖を感じました。
・贅沢を覚える怖さ
この怖さは金蔵だけではなく、
柏木家の女中歌代も触れていました。
大工をしている彼女の父親からの話です。
商人の屋敷に出入りしていたため、
一度贅沢をすると元に戻れない様子を見てきたとのことです。
この教えからお金の本の内容を思い出しました。
よく見かけるのが、「給料が上がっても生活水準を上げてはいけない」という忠告です。
「一度生活水準を上げると元に戻せない」と警告しています。
勤め先で解雇されたり、給料を大幅に減らされた時は対処できないと触れています。
私がよく見ているInstagramの発信者の人で
給料は上がっても生活水準は上げずに、
その分は貯金や投資に回すという方がいます。
そんなことを思い出しました。
生活水準を上げてしまって、後々困った人も見てきました。
・感想
「悪どい商人だなぁ」と思いつつ、
このくらい強かで、頭が切れる人でもないと
財を成すのは難しいのかと考えてしまいました。
「高い報酬や金額を払ってくれる」というだけで
売り手や契約相手選ぶのは
慎重にならないといけないかと
考えてしまいました。
以上、ちえでした。
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