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「女ことば、使ってる?」ある作品のセリフを読んで疑問に感じたこと【女ことばと日本語】中村桃子著

以前読んだ『女性たちの保守運動』で
引用されていた一冊です。

ヘイトスピーチしている女性たちを見て、「女ことばとかけ離れている」と指摘していました。
興味を持ったので読むことにしました。


・女ことばについて

この本は「日本語には、なぜ女ことばがあるのか」という問いから始まっています。
女ことばには「丁寧で、女らしい話し方」という意味を持っています。

更に「女ことばは伝統的に自然に成立した」のは本当かと疑いを向けています。

・女ことばはどのようにして作られたか?

遡ること鎌倉時代、『女訓書』という
今で言うところのマナー本がありました。
中国から入ってきたため、儒教思想が強いです。
江戸時代に一般の人へも広がりました。

明治時代、女ことばは国の言葉として認められませんでした。
女性を社会的に低い地位に置いておく意図もありました。

しかし、その状況は
第二次世界大戦の時期に一変しました。
「ずっと守ってきた」ということになりました。

戦後女ことばは、日本女性の社会的地位の低さを象徴していると批判を向けられました。
社会的条件と自然条件を分けることで
今でも残っています。

・翻訳された作品より

本書では『ハリーポッター』に出てくる
ハーマイオニーグレンジャーの言葉遣いを
例にしています。
「〜だわ」「〜のよ」が語尾になっていることに気づきました。

「普段、こんな言葉で話す?」と
なんとなく違和感がありました。
日本人がイメージする外国人女性の言葉と
思っていました。

更に自宅にあった本を読んで
「外国人女性の言葉を、日本語に翻訳すると
女ことばになるのか」とと気づきました。
その本とはこちらです。

元ミスユニバースジャパンの
ナショナルディレクターを務めた
イネス・リグロン氏の言葉をまとめています。
彼女はフランス人です。

ハーマイオニーグレンジャーとは
口調は違いますが、
女ことばの要素が入っていることに気づきました。

・感想

「正直考えたことがなかった」
これが率直な感想です。
言葉にもジェンダーが反映されているのかと
発見がありました。

一番印象に残ったのは翻訳作品です。
海外文学はそんなにたくさん読んでいないので、
そこまで詳しくありません。

本書で指摘されていて、「確かに女性のセリフはこんな感じになっている」と気づきました。

文学作品だけでなく、実用書などでも
外国人女性の言葉が
女ことばになっていると気づきました。

今後、海外の作品を読むときは
注目したいと思います。

以上、ちえでした。
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