「日本語を守れるのは私たち日本人だけ」そんな危機感が生まれた1冊【日本語が消滅する】山口仲美著
「日本語も安泰ではない」
この本を聴き終わった後に、
こんな感想が出てきました。
確かに話者の多さは世界で9位です。
それでも安泰とは言えないと
著者は指摘しています。
その理由は2つあります。
1.日本以外の国で話されていない。
2.日本で急激に少子化が進んでいる。
私が生きてる間は存在しているかもしれません。
しかし、息子たちが高齢者になった時に
生き残っているかはわからないと感じました。
・言語が消滅する原因
以下の理由を取り上げていました。
1.他国に支配され、同化政策を行われる。
2.自ら別の言語に乗り換える。
3.病気や自然災害などで話者が6割以上減る。
4.他国を征服して、被征服国の言語に同化する。
5.強制労働などで別の言語を話すようになる。
一言で言語が消えると言っても、
こんなに理由があるものかと驚きました。
可能性のある消滅原因を
1つずつ解説していました。
1番可能性が少ないのは、
自分が征服した国の言葉に置き換わることです。
1945年に敗戦国になってから、他の国に戦争を仕掛けることはできなくなったからです。
地震災害で話者の6割以上が亡くなったり、
他国から征服された後に
その国の言語に置き換わったりするなど、
考え得る可能性に触れていました。
1番可能性が高い原因はどれでしょうか。
この答えに納得しました。
・早期の英語教育の問題点
2020年以降、英語教育が小学校から
前倒しで行われることになりました。
私が子どもの頃は中学生になってから
学校の授業で始まりました。
いろんな書籍を読む中で、
多くの著者が英語の早期教育に反対していたので、問題点は薄々想像がつきました。
その中で言語学者の著者の視点がユニークでした。
英語学ぶメリットは大きいけど、
それが行き着く果ては、
英語のモノリンガルと指摘。
つまり、英語だけの話者になります。
母語を学ぶよりも、
英語を学ぶメリットが大きいからです。
日本でも英語が話せる人間は
話せない人間に比べて
高収入になる傾向にあります。
そうなると日本語を捨てて
英語に乗り換えてもおかしくないと指摘。
前の項目の2番に当てはまりますね。
・言語が消えるのは何が問題?
世界には聞いたこともないような
ユニークな言語があります。
舌打ちみたいな音を使ったり、
動物に順位があったりするなど、
日本人の私には
想像ができないルールがあります。
どの言語も話している人の文化と
密接につながっています。
何気なく話してる日本語ですが、
遡ればもともとは中国から入ってきた漢字から
ひらがなやカタカナが生まれました。
中高生の時、古文や漢文を習いました。
現代国語を学ぶ理由はまだわかるけど、
古文や漢文を習う意味はよく分かりませんでした。
国語が苦手教科だったのもあり、
「わざわざ日常生活に使わない言葉を学んでも」と内心感じていました。
受験のために学んだと言っても過言ではありません。
この本を読んで、ただ単に使える知識を学ぶだけではなく、自分たちが使っている日本語の歴史や成り立ちを学んできたと気づきました。
漢文は、漢方薬の知識を学ぶ時に役に立ちました。
高校生の時のようには行きませんが、
漢字を見て「大体こんな効果があるだろう」と
ある程度理解できました。
そう考えると無駄ではないと気づきました。
・感想
「言語が消える=文化が消える」
著者からそんな主張が読み取れました。
日本語が消えるということは、日本の文化まで消えてしまうことを意味すると気づきました。
言語が消えるということは、
文化の多様性も減っていくので、
より単一な世界になってしまうと実感しました。
ある少数民族出身の人が、
生き残るために部族の言葉を捨てて、
英語を学ぶことに決めた事例が出てきました。
後年、部族の言葉を捨てて後悔したのが印象的でした。
確かに英語を学ぶのが意義深いです。
世界中の多くの人とコミュニケーションが取れたり、多くの情報を得られたりします。
しかし、日本語も同じくらい学ばないといけないと思い知らされました。
もし学ばなくなったら、
少数民族出身の人みたいに、
後悔しそうと感じたからです。
以上、ちえでした。
プロフィールはこちらです。
他のSNSはこちらです。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?