可愛い顔して実は...!? 「私は二歳」監督:市川崑/1962
こんなお話
小児科医で育児評論家の松田道雄の随筆をベースに、和田夏十が脚本化した作品。当時、市川・和田夫妻にも同じような子供がいたということが、映画化の動機になったんだとか。
一人息子の子育てに悪戦苦闘する家族を、赤ちゃん目線で描いているのですが、ベタベタな愛情ではなくシニカル目線が市川崑らしい。
赤ちゃんはカワイイ顔して、こんなこと考えているのか・・・と少々複雑な気持ちにすらなりますw
ところどころアニメーションが挟まったり、同監督の『トッポ・ジージョ』を思い出させる中村メイ子のナレーションがあったりと、市川崑ファンにはニヤリとする部分も多々。
が、個人的な見どころは、やっぱり船越英二ですかね。
この方って、チャラけた役とかクセのある役が多いイメージだったので(もちろんシリアスな役もたくさんこなされていますが…)「パパのイメージないわ」と思っていたら、やっぱりダメ親父でしたw
子供を放置してTVに夢中になるは(おかげで子供が死にかける)、2人目いらんて言うは。
まぁ、でもこれが昭和の父親像なんでしょうね。
ダメ親父の船越英二が、最後ほんのちょっぴりパパらしくなるところが微笑ましいです。
大きな山場も特になく、市川崑作品の中でもあまり語られることの少ない作品ですが、嫁姑・保育所・夫などなど、子育て世代には身近な問題が散りばめられているので、昭和と今の育児を比べつつ観るのも一興かと。
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私は二歳
1962/大映
<スタッフ>
監督:市川崑
脚本:和田夏十
原作:松田道雄
製作:永田秀雅、市川崑
音楽:芥川也寸志
撮影:小林節雄
編集:中静達治
<キャスト>
船越英二
山本富士子
浦辺粂子
(ナレーター:中村メイコ)