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週末ぽかぽか。
最近、週末にスーパー銭湯に通うようになった。
家ではシャワーだけなので、ゆっくり湯船に浸かりたい、と思ったことがはじまり。
通っているスーパー銭湯は、そして回数券を買うと入館料が少しオトクになる。
私は回数券や〇〇円で通い放題!というのは、「通わないと損してしまう」という強迫観念が働くために苦手なのだが、ここの回数券は利用期限が長く設定されているので、焦って通い詰める必要はなく、買ってもいいかな、と思って購入した。
私が行くのは、土日でも比較的空いている午前中だ。
客層は年配の人が多い。昼を過ぎると、家族連れでどんどん混みはじめる。
体を洗って大浴場で身体を温めたら、露天風呂へ行く。
お気に入りは壺風呂である。
少し前に、小さな男の子が壺風呂でくつろいでいて、その様子を見たお母さんが「なんだか、目玉のオヤジみたいだよ」と言っていた。
ザバァーっとお湯を溢れさせて壺の中に入ったら、空を見上げながらぼぉーっとし、私も目玉のオヤジになった気持ちになって、ふふふ、となる。
それに飽きたら、テレビが見える露天風呂へ移動する。私の家にはテレビがないので、流れている情報番組やバラエティ番組を、ついつい食い入るように観てしまう。テレビの吸引力って凄いなとおもう。
危ないことだけど、これを使って人を洗脳するなんて造作もないだろうな、と思ったりする。
この前は、午前中に行くことができず、入館したのは土曜日の夕方だった。土曜日の夕方は、結構混んでいた。
ロッカーは荷物を取り出しにくい下の方しか空いていない。
洗い場も結構埋まっていて、空いている場所を探さなくてはならなかった。
いつものように、体を洗って、大浴場で身体を温め、露天風呂に向かう。
午前中は、年配の女性がぽつぽついるだけの露天風呂が、その時間帯は、小学生や中学生、ちびっ子を連れたお母さん、ありとあらゆる年代の女の人がお湯に浸かったり、夜風にあたって火照りを冷ましたりして過ごしている。
普段は、お化粧をしてバリバリ仕事をしているのかもしれない。家族の世話をしているのかも知れない。学校で勉強したり部活に励んだりしているのかもしれない。そういうものをぜーんぶ脱いで、女たちが、冬の夜空の下、白い湯けむりが立ちのぼるなかで、ぽかぽかと温まっている。
普段は、みんな別々だけれど、この時は、同じ時間を同じようにして過ごしている感じが、なんだか不思議で、いい、と思った。
低温サウナに入って適度に汗を流すと、いい感じにデトックスされて、体はほかほか、肌はツルツルになる。
体の芯までほぐれたら、脱衣所に戻り、体を拭いたり髪を乾かしたり。
服を着たら、みんな、いつもの顔になって日常へ戻っていく。
妻に戻り、お母さんに戻り、学生に戻っていく。
週末のほんのひととき。何者でもない、ありのままの姿で、ぼーっとくつろぐ時間。大事にしたいな、と思った。
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