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読書メモ:世界のDXはどこまで進んでいるか

基本情報

『世界のDXはどこまで進んでいるか』
雨宮寛二
2023年7月20日発行

以前、AIに関する本を読んでおり、「DX」も興味があり、特に世界との比較が気になり手に取った一冊。

DXに関して、以下のような構成でまとめられている。
基礎編:これまでのデジタル化の動きを捉えたうえで、企業がデジタル化を進めるうえで必要なことを解説する。
戦略編:企業がDXにより全体最適化をはかることで採るべき戦略を事例を示しながら、戦略的意義や価値の重要性を明らかにする。
事例編:デジタル変革が確立した企業としてテスラ、ウーバー、ウォルマート、アリババ、ネットフリックス、マイクロソフトを取り上げ、戦略的に考察のうえ、10年後の未来社会の在り方を示唆する。

構成

第1章 デジタル化を進めるための方法論【基礎編】
第2章 企業の「全体最適」を達成するための戦略論【戦略編】
第3章 DXの現在地、未来社会への大変革【事例編】

感想

新型コロナが流行る前ぐらいから当時所属した会社内でも「DX」が大々的に謳われるようになってはいて、担当する業務でもRPAによる業務効率化を進めていたが、広く求められているようなDXほどのインパクトがなかった記憶がある。
日本でも企業内では、DXは以前から進んでいたのだとは思うが、法規制の問題もあり、ウーバーやネットフリックスのような社会的インパクトのあるものがなかなか出てこないイメージであった。

インパクトという点では、革新的ではないかもしれないが、本書内でも日本のファーストリテイリングのユニクロのレジ(商品を置くだけで購入額が計算される)が好事例として取り上げられている。
ユニクロのレジを初めて使った時は、人口減少の中で時代が変わってきて、デジタル化の対応が進んでいるなと感じたことを忘れられない。
その前にZOZO TOWNが、全員タイツを着てスマホで体形を計測して合う服を購入できるようになったのも驚き、衣類購入の新しい形になるかと思ったが、こちらはあまり定着しなかった。
(貴重なデータはたくさん集まったと思うが、現在どのように活用されているのだろうか?)

本書内では、ユニクロに加えて、日本企業の中でもくら寿司、旭化成、KDDI、クボタ、東芝などが取り上げられている。
どの企業も積極的にDXに取り組み成果を出しているが、海外と比べると取り組みの開始時期や規模で、日本全体としては周回遅れ感を感じざるを得なかった
特に小売り業(ウォルマート)に関しては、差を感じてしまった。

日本でも最近規制緩和でライドシェアが解禁となったが、アメリカと比較すると企業の取り組み以外で、法規制の問題もあるように感じた。
「法規制」自体の賛否、良し悪しはあるが、日本においてはイノベーションを阻害している部分はあると思う。
また、日本人の保守的な部分も影響しているように感じる。

但し、Z世代のような若者とたまに接すると考え方が柔軟で、失敗を恐れず挑戦する姿勢を見れることがあり、見習わないといけないと思わされる。
DXにも苦手意識を持たず、積極的に勉強し、新しいものを避けずに試してみて、老害にならないようと思わされた一冊であった。


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