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認知症:忘れられた記憶、混乱した感情
長女がバレンタインチョコレートを作るために、好きな人にアレルギーがあるか聞きたいけど聞けないという相談をされ、キュンキュンしている老健看護師綾子です。
さて認知症の続きを書いていきましょう。
前回は「物忘れ」+「決断力の低下」のことを書きました。
さて今回は「物忘れ」+「決断力の低下」=感情の破壊です。
失われゆく感情の風景:心の変化とその影響
感情にはどのようなものがあるでしょうか。
ポジティブな感情
「喜び」「愛情」「感謝」「希望」「興奮」「達成感」「安堵感」「驚き」「好奇心」などがあるでしょうか。
ネガティブな感情
「悲しみ」「怒り」「恐れ」「嫉妬感」「罪悪感」「孤独感」「落胆」「不安感」「恥」など
たくさんの感情の中で私たち人間は生きているんだと思います。
この感情が少しずつ少しづつ破壊されていくのです。
ですから、時にはご飯1粒こぼしただけで、ものすごく怒ったり、笑ったりしてしまいます。
失われた物と破砕された信頼
さて、私の働いている介護老人保健施設では、必ずと言っていいほど頻繁に「盗まれた」事件が発生します。
ズボンが盗まれた。時計が盗まれた。お菓子が盗まれた。などなど。
ここで私が「人様のズボンを盗むわけないでしょうが?」と言っても
「毎回毎回盗まれるんだ。あの洗濯やってくれてる人に決まっている」
洗濯やお掃除をしてくれる職員が、利用者の部屋に入ることが多いので、一番親切なのに疑われるのです。
そしてその洗濯をやってくれる方や掃除の方は、認知症についてあまり教育を受けてませんので
清掃員さん「はあああぁぁぁ!なんてこと言うのよ!」
と利用者と職員がケンカに発展するのです。
しばらくしてから職員が利用者の部屋を見に行くと、布団の中からズボンが出てくるのです。
それを見た利用者はなんと
とんでもない事を言い始めるのです。
この続きは次回に。