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金色の季節
秋は金色の季節
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ヘッダーは、hyaiさんの写真です。
綺麗ですね✨
金色に輝く季節が始まった。
風に乗ってやってくる金木犀の香りに秋の訪れを知る。
夏に咲き誇った花々も実をつけて、
蜜柑や柿も次第に色づいていく。
金色の稲穂垂れる田んぼ…
子どもの頃、秋アカネ飛ぶ田んぼで遊ぶことは憧れだった。
果物の木を植えるほど広くない、
我が家の小さな庭の秋。
白のタマスダレに始まり、
薄紫のヤブラン、
白や黄色の小菊…
そんな素朴な秋の花々が咲くものだった…
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「金色」で思い出したのは、
教科書で読んだ「やまなし」…
5月と12月の対比で描かれる物語で感想文を書いたことも懐かしい。
12月のシーンが特に印象深い。
月光煌めく川の中、
下から見上げる波立つ水面
泡を作って遊ぶ蟹の兄弟と
見守るお父さん蟹
川面に落ちてきた「黒いもの」
それはカワセミではない
月明かりの水の中にも、
金色に熟した「やまなし」のいい匂いが広がる。
「『やまなし』って、どんな果物なんだろう?あまいだろうな…」
12月は冬のはずだが、
里山の「晩秋の風景」を想像した。
そんな子ども時代に読んだ本の感動は、温かなエピソードとともに記憶のどこかに眠っている。
読書の秋、
「新たな物語」を読んでいこう。
「今」を豊かにしていけるように。
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そのとき、トブン。
黒い円い大きなものが、天井から落ちてずうっとしずんで又上へのぼって行きました。キラキラッと黄金きんのぶちがひかりました。
『かわせみだ』子供らの蟹は頸くびをすくめて云いました。
お父さんの蟹は、遠めがねのような両方の眼をあらん限り延ばして、よくよく見てから云いました。
『そうじゃない、あれはやまなしだ、流れて行くぞ、ついて行って見よう、ああいい匂においだな』
なるほど、そこらの月あかりの水の中は、やまなしのいい匂いでいっぱいでした。
三疋はぼかぼか流れて行くやまなしのあとを追いました。
宮沢賢治『やまなし』全文
青空文庫 宮沢賢治 『やまなし』
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この作品のイラストを使わせて頂きました
素敵な作品をありがとうございます!
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やまなしの思い出を描いた作品を2つ、ご紹介します。
やまなしの感想文を書いた思い出
青い幻燈
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