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待っていました『猫を処方いたします。③』を読んで

『猫を処方いたします。③』  


           著者 石田 祥                      


様々な悩みを持つ患者に薬ではなく
本物の猫を処方する不思議なクリニック
「中京こころのびょういん」のニケ先生と看護師の千歳さん。
今回も予約の患者の待ちながら、その間に別の患者の診察をする。
①と②で見せられた「猫を処方する」と治療? あらたに加わった「猫を習う」治療にちょっと度肝を抜かれる(笑)

そんなこころの病院の噂を聞いて訪れたのは
重要なプレゼンを控えた会社員の楓子はプレッシャーに押し潰されそう。そこで処方された猫の猫パンチを受けながらのプレゼンの練習

育児に疲れ、うちに帰りたくない父親が迷い混んだびょういんで、猫を習らった先にどうなったのか?

美大を卒業しバイトをしながら似顔絵をメインに請けるイラストレーターはかつての友人の成功に心を病み、ルームシェアの友のすすめで訪れ、猫を10日間処方される。

今更だけど支払いってどうなってるんだろう?「プロの猫の中でもプロ中のプロにしましょう 千歳さん猫持ってきて」とニケ先生
「プロの子はほんまやったら指名料いるんですけど」とのやり取りで?
どんぐらいの、支払いだったらこの怪しいびょういんが病院であると認識されるのだろう。
と疑問を感じる

まあそれはさておき、

その患者に最後にかけた言葉

「ああ、部屋の外に患者さんが、いてたら入るように言うてあげてください。僕が待っている患者さんは落とし物を拾ったのに届けることもネコババすることもできんと、一人で悩んではるんですわ」この言葉の意味ずっと待っている患者が近くまで来ていることを暗示

食欲がなくて元気もなくてやる気もない。
原因は嫉妬心だと、わかっている。
ならば解決方法は、安定した職を見つけること?将来性のあるジャンルに転向する?
欲しいのは褒め言葉? 具体的に賞をもらうこと? 猫と暮らすことで見えて来た答えは?

最終章

ドアが開いた。受付らしき小窓がある。
ぽかんとしているとバタバタとスリッパで床をく叩く音がして看護師が現れ言う。 
「お待ちしてました」
待っていた予約客がびょういんにやってくる。

「風の噂も役立もんです。あちこち吹いてくれたお陰であなたにも届きました」とニケ先生が言う。
さてまたこの続きはあるのかな~
悲しみと怒りのなかにいるその予約客が救われることを祈って。

さて、色々と伏線が巡らされている本作。あちこち忘れてしまっているところがあるので、出来れば3冊続けて読んで欲しいそんなシリーズです。




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