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「トミカの約24倍の……」【へんいちエッセイ講座 初級作品】

「お母ちゃんトミカ買って」
「仕方ないなあ、じゃあ1台だけよ」
息子に手を引かれて、トイザらスに行きました。
トミカの売場に行くと、何やらキャンペーン中の広告が。

「期間中、5台のトミカを買って応募すると、5,000名様に非売品のトミカが当たる!」
車種は、トヨタGR86。白を基調に、黒と赤のラインが入り、歌舞伎の隈取りのようなかっこいいデザインです。
ものは試し。対象期間中は頻繁にトミカを買ってあげて、応募してみました。

そろそろ、当選結果のメールが来る頃だ。ドキドキ。
そしてタカラトミーからメールが。
おそるおそる見てみると……「当選おめでとう!」の文字。
あわあわ、懸賞なのに本当に? でもこうやってメールが届いたということは、、嬉しい!!

息子に「トミカのくじで当たったよ。もうすぐ珍しいトミカが届くよ」と伝えると、「わーい! 早く届かないかな?」と待ち遠しい様子。
ここでふと、私の頭の中にある考えがよぎりました。それは、このトミカがメルカリでは何円なのかということ。

もちろん、売るなんてしない。ただ話のタネとして、メルカリ価格が知りたいだけ。
そしてこっそり、メルカリで同じ商品を検索してみました。すると……

「未開封で12,000円」
えっ、12,000円も! いや、だめだだめだ。未開封のまま売ったら、息子が悲しむ。

「ピンポーン、お届けものです」
息子はすぐにトミカが届いたとわかり、ルンルンで玄関先に行きました。トミカの箱を受け取るやいなや、瞬時に箱を開けてトミカを取り出しました。

未開封、、うん、そうだよね。もちろん開封するよね。
ふと、「息子が将来トミカに飽きたとき、非売品のトミカの状態がよければ高値で売れるのではないか?」との思いが再び……
息子よ、このトミカは丁寧に扱ってね。丁寧に……

その日の晩、息子はお風呂にお気に入りのおもちゃを持って入りました 。え? もしかして……
「ぽちゃん」
あー! 今日届いた非売品のトミカが湯舟の中へ。
息子はその後も、このトミカのことを特別扱いせず、おもちゃ箱の中に豪快に入れたり、砂場に持っていったり。暫くして非売品のトミカを見てみると、所々塗装が……

うん、もう売らないよ。でも、これは誰かに話したい。
お母ちゃんは、トミカを買い集めて懸賞に応募し、晴れて当選したのです。トミカの定価が500円だとして、メルカリ価格が12,000円として計算すると、12,000÷500=24。
定価に比べて約24倍の……
ああ、黙っているなんてムリムリ!

(テーマ:これは誰かに話したい、黙っているなんてムリムリ!)



このエッセイは、「へんいちさんのエッセイ講座 初級6期」で添削していただいたものです。
添削をしていただくと、自分の書き方の傾向が分かったり、アドバイスによって文章の良さが引き出されてより良くなったりして、とても勉強になりました。

トミカが懸賞で当たったときのドキドキ感、
無邪気にレアなトミカと(豪快に)遊ぶ息子…
でもこのレアなトミカを売ったら何円になるんだろう?という大人の後ろめたさ…
というコントラストを表現してみました♪

エッセイ講座、初級の参加は2回目でした。
あぁ~今回の作品づくりも楽しかったです!!

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