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白球物語 Part2

投手が全力で投げた白球は外角低めに
猛スピードで向かう
打者はその白球を真芯でとらえる
鋭い金属音が鳴り響く
白球は大きな弧を描き曇り空を舞い
電光掲示板に直撃する
狂喜乱舞する観客たちを横目に
打者は表情ひとつ変えずそれぞれの塁を回る
投手は空を1度見てたからマウンドの土をはらう

完璧なコースに完璧な直球を投げ込んだにも関わらず完璧に打たれた
あぁ世界は広いね やつは怪物だ

白球にとって勝敗はどうでもいい
白球は今を生き、過去も未来も抱え込み
冷静に在る
白球を追いかけたいつかのこどもたちは
時を経て思いだす 
白球は今も誰かの夢を背負ってる

白球は勝利者にも敗者にも微笑む
試合は終わった
意味のあった練習意味のなかった練習
仲間との喜び諍い認め合い
監督の叱咤激励 
挨拶の声の大きさで叱られ
応援歌を風呂場で歌うと母と妹が必ず笑う
スポーツドリンクが身体に染み渡るあの感じ
他校のナイター設備を羨み早朝校舎に忍び込む 朝のキャッチボールは清々しい
全部ひっくるめてかけがえない

流れ落ちる汗なんか
今自分が何歳でどんな人間だとか
忘却の彼方だ 
目が腕が脚が身体が白球をみてる
グラウンドの上 大地の上 地球の上 
白球と共に在れ 

試合は終わった 生活は始まる
白球に懸けた情熱があれば大丈夫
白球という白い球体を
バットという円柱のような棒で
打ち返したり
手を模した皮で捕ったりと
道具を介して触れ合う
ああ 白球よ どこへでもいけ
ああ 白球よ 今を駆け抜けて

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