『口の立つやつが勝つってことでいいのか』を読んだ。
頭木弘樹さんを知ったのは、『食べることと出すこと』(医学書院 2020)が最初だった。医学書院の「ケアをひらく」シリーズの編集者、白石正明さんを知ったのが先で、この本も同シリーズの1冊で、あちこちで評判を呼んでいたからだ。そして、結構な衝撃を受けた。ここまで難病に苦しむ自分を曝け出しながら、それでいて読んでいてけっして読み手を暗くさせるわけではない文体に惹きつけられた。親しくしている友人が、頭木さんほどの難病ではないにしろ、ずっと消化器系の不具合を抱えていたため、この本を紹