ネットで晒された言論人たちを必死に擁護する1~長尾たかし「国旗損壊罪」について~

昨今youtubeで話題となっているアベマTV。世間一般とは違う見解を持つ人をゲストとして呼び、幅広い視点で情勢を見るというコンセプトで出来た番組である。しかし、現状ひろゆきに論破され、マジョリティの晒し者にされるケースが多い。実際のところ視聴者層も偏っており、コメントはゲストに対するアンチコメントばかりである。そこで筆者はそんな可哀そうなゲストを必死に擁護しようとこの記事を書いた。

プロローグ

論理とは一定の価値観や前提条件の上でのみ成り立つものであり、「どう考えても間違えている」と思うような意見は、そもそも議論する上での前提が噛み合っていないものから起こるものである。それゆえに、相手の価値観を読み解けば、どのようなデタラメに見える意見も一定の擁護が可能である(あくまで前提が常識的なものである場合だが)。

筆者も嫌いな長尾たかし氏を擁護してみる

今回擁護するのは長尾たかし氏である。まずはじめに言っておくが、筆者はこの(元)議員が嫌いである。しかし、この人物を敢えて一人目にしたのは、ポジショントークをしない決意の表れである。

国旗損壊罪の必要性について長尾たかし氏は次のように述べている。

  • 国旗に敬意を払うのは当然

  • 外国の国旗を傷つけてはいけない法律があるのに日本の国旗にはないのはおかしい

  • 外国にも当然のように自国の国旗を損壊させてはいけない法律がある

これを受けてアベマレギュラー陣は次のように反論している

  • 国旗の定義が難しく(Tシャツ、お子様ランチの旗、日の丸弁当など)、刑罰適用は難しい

  • 現行の法律でも器物破損罪などで対応可能

この動画のコメントには長尾たかし氏に対する批判コメントが多い。アベマ視聴者は(筆者の体感的に)保守層が多いので、彼の発言に賛同するものもいるが、かなりの割合で低俗なコメントが書かれている。

  • こんな奴が国会議員なのか(当時)?

  • 論理性の欠片もない

  • アベマはダメ議員をあぶり出す良番組

筆者は別の記事で「具体的な反論がないアンチコメントは、ただのヘイト発言である。」と述べたが、まさに低俗なコメントである。コメントでは「長尾氏がひろゆきに論破された」との評価だが、実際のところは話がかみ合わず議論にさえなってなかったと評価するのが妥当だろう。さてここから彼を擁護することにする。

議論の前提を読み解く

動画の18:19で若新先生が言うように、まず保守は議論において重要視するところがリベラルとはかけ離れており、そもそも理屈で議論をしていないのである。「この人わけ分からない」と思った人は、自分視点で見るのではなく、彼視点に立って国旗損壊罪の是非を考える必要がある。

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