30歳になってLINEを消したら、本当に大切なものを知った。
インスタに続いて、LINEも消した。
LINEの友達一覧を見てみると、頻繁に連絡を取っている人、何年も連絡を取っていない人、一度だけ会ったことのある人、名前を見ても誰だか分からない人、そんな人たちで溢れていた。
そういえば若い頃はよく合コンをして、その場限りの人たちと連絡を交換したことも多々あったし、勝手に電話番号だけで自動追加されたこともあったなぁ。
道ですれ違ったお兄さんに、「合コンしよーよ!」と声をかけられて、「オッケー!」みたいな感じでLINEを交換したイケイケドンドンの20代が頭をよぎる。
怖いもの知らずとはまさにこのこと。
ほんとは一人一人削除していっても良かったんだけど、削除したい人の数が多すぎてめんどくさくなった。それに私が削除した所で、相手側のアカウントに私の情報が残っているのも嫌だった。
だから、いっそのことアカウントを削除しようと思い立った。
そしてまた一からアカウントを作り直そうと。
でも待てよ。
LINE削除したら私ほんとに友達いなくなるんじゃない?
ふと不安がよぎる。
新しくLINEのアカウントを作り直したところで、格安simに変えてからIDや電話番号で友達検索も出来ない。友達と連絡をとるためには、SNSでDMを送るか、電話番号で連絡を取る。
そういえば前に、電話もメールもLINEでする時代だからと思い、電話帳に入っていた友達のデータをたくさん消した。仲良い人は一応残しているけど、もう十年も前の電話番号が現在使用出来る状態かは不明。
SNSでDMを送るといってもインスタは消したし、残るはTwitterのみだけど、Twitterなんて久しく更新していないし、更新している友達も数える程。
あれ、私誰とも繋がれないんじゃない?
考えること数分。
、、、どうにでもなれ!えい!
指先一つで、私の交友関係無事終了。
でも不思議と後悔はなかった。むしろ清々しかった。
その日のうちに新しいLINEアカウントを作り直した私の友達第1号は、「母親」だ。
業務連絡が必要な職場の人も、友達第2号に追加された。こればかりは仕方がない。
そこから第5号までは家族が占めた。
そんな感じで片手で数える程しか友達が入っていないLINEを、私はほとんど見ることがなくなった。
誰かからLINEが来てるかも!と期待することがなくなった分、LINEの返信まだかな?と不安になることもなくなった。
これがいい。心が穏やかだ。
コロナ禍で友達と会わなくなり、連絡を取る回数もグッと減った。
私がLINEからいなくなった所で、ほとんど誰も気づかないだろうなーなんて思っていた。
でも、こんな私のことを心配してくれた友達がいた。
心配になって家まで様子を見に来てくれた友達。電話番号を頼りに電話をかけてきてくれた友達。友達のツテを頼って探してくれた友達。
え、嬉しい。
何だか心が温かくなった。
LINEがなくても、インスタがなくても、大切な友達なら、きっとまた繋がれる。
そう信じていた私の思いは、無事果たされた。
歳を取っても繋がっていたい。そう思える友達たちが、今、LINEの友達リストに入っている。
SNSやLINEばかりをしていると、何だか本当に大切な人を見失いそうになる。
全てを遮断した時、それでも残るものこそがきっと、生きて行く上で一番大切なものなのかもしれない。
100人の人にLINEで「頑張って」と言われるよりも、たった1人の人に直接「頑張って」と言われる方がずっと心に残る。
LINEでした面白い会話のやりとりなんて覚えていないけれど、みんなと語り合いながら笑い転げたやりとりは鮮明に覚えている。
LINEやSNSはフェイクな世界。人と出会って話す、リアルな世界をもっと大事にしたい。
インスタもLINEもなくなって、そんな気持ちになった。
話は変わるけど、30歳になって友達との関係性についてふと考えた時、長く続いている関係があったとして、その関係は誰かの努力で成り立っているものだということに気付いた。
私は自分から友達を誘って遊びに行くタイプの人間ではない。だけど「遊ぼー」と誘ってくれる友達がいて、「ご飯に行こー」と誘ってくれる友達がいるから、私と友達の関係は続いている。
もし友達が誘ってくれずにいたら、私たちの関係はきっと途絶えてしまう。
でも定期的に誘ってくれる友達の見えない努力があってこそ、私たちの関係は続いてる。それに気づいた時、私も努力せねばと思った。
努力せずに生きていくことも可能だけど、やっぱり友達って大切な存在だと思う。時には嫌な友達にも出会うけど、そんな友達に出会う以上に素敵な友達にもいっぱい出会えた。
この広い世界で、何かの縁で出会えたんだから、やっぱり大切にしていきたい。
友達は自然に出来るものなんかじゃなくて、努力して作るものだと気付いた30歳の春。
いろんなことが少し落ち着いたら、私から友達に連絡を取ってみようと思う。会いたい人に会いに行こう。
残された時間は有限なんだから。