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【大人の金融リテラシー】「適合性の原則」とは?

顧客に商品を勧めて買ってもらうことが営業担当者の仕事です。

営業担当者が顧客に対して商品を勧めることを「勧誘」と呼び、逆に顧客自らが商品を決めたら「非勧誘」と呼んでいました。

追々話すつもりですが、この「勧誘」、「非勧誘」の区分けは、営業担当者の説明義務と深く関わってきます。

対面営業が主体であれば、「勧誘」が多くなります。

「勧誘」の前に営業担当者は、いくつもの関門をクリアしなければなりません。

最初に立ちはだかるのが以前にも少し触れた「適合性の原則」です。

そして、「適合性の原則」を理解すると、これが最初にして最大の関門であり、かつ最も重要なことであることが分かります。

「適合性の原則」は、「金融商品取引法」という法律に定められています。
「金融商品取引行為 について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らし、不適当と認められる勧誘を行ってはならない」とする原則です。

「勧誘」と明記されてます。

「取引」ではなく「勧誘」ということは、取引に至らなくても「お勧めするだけ」で問われることになります。

「適合性の原則」に反する商品を勧誘した営業担当者が「買わなかったから問題はない」言い張るのに対して「勧誘した時点でアウトなんだよ」と諭したこともありました。

また「勧誘」というと、顧客リストの上から順番に無作為に電話をかけまくるイメージをされる方がおられるかもしれませんが、そのような行為は、「適合性の原則」に反する行為といわれる可能性があります。

なぜならば、「顧客の知識」、「経験」、「財産の状況」及び「金融商品取引契約を締結する目的」に照らしていないからです。

例えば、「顧客の知識」ということであれば「商品性やリスクを理解できるだけの知識を顧客が持っているか」を判断するということです。

その他の項目についても、それぞれの観点から判断していかなければなりません。

また、「顧客ありき」なのか「商品ありき」なのかという観点もあります。

「この商品に合った顧客はだれか」というのは「商品ありき」の考え方です。

これを「顧客ありき」で言い換えるならば、「この顧客に合った商品はどれか」ということになります。

ことほど左様に「適合性の原則」は、最初にして最大の関門であり、かつ最重要で、しかも難しいことなのです。


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