必殺こむら固め
浅い眠りを繰り返し、朝7時過ぎに寝床から起き上がろうとした瞬間、右ふくらはぎを激痛が襲う。ビッキ~ン!
「やべっ!」と立ち上がった瞬間、左ふくらはぎまでがビッキ~ン!攻撃を仕掛けてきた。お前ら自分の足のくせして、随分な仕打ちじゃないか。
どひゃひゃひゃと焦りまくり、しかし痛くとも伸ばした状態を保たなければならないから、そのままの状態で激痛が収まるのを待つ。
痛みは残るものの、最初の強烈な瞬間は過ぎたようだ。そのまま壁をつたい、イテテとなりながら階段を下りて、1階の居間のソファに座り込んだ。
とてもさわやかとは言い難い、一日の始まりだ。
久しぶりのこむら返りだが、両足一遍というのは記憶にない。さすがにこれはヤバい。
原因は、いくつか考えられる。
昨夜はことさらに眠りが浅く、午前0時前に就寝してから、1~2時間ごとに目が覚めた。寝直すと、ウトウトするうちその直前にみていた夢の続きをみたりする。熟睡というにはほど遠い状態だ。
起きたついでに、寝室脇のトイレに行く。尿意はそんなに感じないのに、実際に放尿するとけっこう出たりする。
出すことだけを繰り返し、階下まで行って水を飲むのが面倒ですぐ横になるから、水分不足になっている可能性はある。こむら返りの要因の一つだ。
ただでさえ少ない運動量が、加齢によってさらに減っているため、筋肉量が減少しているのは間違いない。
筋肉内の血行が低下すれば、乳酸などの疲労物質を排出しづらくなる。
すると末梢神経の興奮が抑えにくくなって、筋肉の細胞を暴走させやすくなるメカニズムらしい。
血行の悪い状態でイオン(カルシウム、マグネシクム、ナトリウム、カリウム、水素)のバランスが崩れているとき、たまたま寝返りなどして筋肉に刺激が加わると、筋肉の細胞が暴走して過剰な収縮が発生し、こむら返りを起こすそうだ。
あいかわらず熱帯夜が続き、クーラーをかけたり、就寝中は扇風機の風を体に当てたりしているので、自覚ないまま体が冷えているのも一因かもしれない。日中は水分補給を心がけているものの、つねに氷の入った冷たい水なのもいい事でなさそうだ。
こむら返りで痛いのはもちろん困るが、肝機能・腎機能の低下が原因の可能性もあり、これが最も懸念される点だ。
というのも今月後半、ほぼ5年ぶりくらいの健康診断があり、ここで引っかかって再検査とか言われるのが、何かと厄介だからである。
渡世の義理から受けざるを得ないものの、「あなたこのままだと死にますよ」なんて言われると、信じちゃいなくとも精神衛生上よろしくない。
つーか、このままだろうとあのままだろうと、人間みんなそのうち死ぬんである。62年も生きてこられて、この上さらに長生きしたいなんて思うこと自体、贅沢過ぎやしないかと思う。
僕の場合これから先は生きれるだけで、充分御の字じゃなかろうか。
「医は仁術なり。 仁愛の心を本とし、人を救ふを以て、志とすべし。 わが身の利養〔利益〕を専らに志すべからず。 天地のうみそだて給へる人をすくひたすけ、万民の生死をつかさどる術なれば、医を民の司命と云、きはめて大事の職務なり」(江戸時代の中津藩藩医・大江雲澤の言葉)
ウソこけ。まぁ、昔はそうだったかもしれんが、今はまったく違うぞ。
医師が利益を優先し、患者を数字や金儲けの手段として扱う現代の「医は算術なり」である。
(もうすぐお役御免となる)現厚生労働大臣の言動を目にし耳にするにつけ、国民の生命よりも業界最優先の傲岸な姿勢に対し、憤りを抑える事が出来ない。
つい最近も、身近でこんな事例があったばかりだ。
(と引っ張っておいて、次回に続く)
イラスト Atelier hanami@はなのす