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~虎に翼~梅子さんが再登場。家族って難しい。

どうも。
こりーぬ、です。
初めての方も、また読んでくださってる方も
ありがとうございます。

では、先週の相続のお話についてです。
先々週の最後で梅子さんが出てくることは
わかっていましたが、
婚家を出たはずなのに、臨終の場面って
どういうことなのか、全然理解ができず。

寅ちゃんが忙しい合間を縫って
家庭問題の法律相談業務も担当していて、
裁判所に設置されたブースに座り、
相談者を捌いていく。
相談が終わった人が挨拶をしているのを
待ちきれずに押しのけて座ったのが、
スッとした美人だけど気の強そうな女性。

元山すみれ、というその女性の相談は
長いこと妾をしていたのだけど、
その旦那さんが亡くなって
その財産を自分も分けてもらいたい
ということ。

でも、新民法では妾にそんな権利はなく、
説明しようとした寅ちゃんに
すみれが出してきたのが遺言書。
旦那さんが生前書いてくれたのだという。

早速、その旦那さんの家族に裁判所に
集まってもらうと、末席にいたのは
梅子さんだった。

その遺言書に寅ちゃんが開封して
内容を読み上げると、
『元山すみれに
全財産を相続させる』という内容で
当然ながら、旦那さんの家族である、
梅子さんの姑、長男、次男は
そんなことは認められないと憤る。

と、梅子さんが三男に声を掛けて耳打ちする。
そして、その言葉を他の家族に三男が話す。
「遺言状があったとしても、ボク達には
遺留分があるはずだ、って」
梅子さんがこの家族の中で
直接発言することを控えている
ような姿がここでわかる。

この発言で、
寅ちゃんは、梅子さんが今も
法律の勉強をしていて、
新民法を理解しているのがわかって
笑顔になる。

遺言書の真偽についてはこの場で調べられず、
相続についての書類作成や申請なんかを
してもらわなくてはならないということで
一旦、全員帰宅してもらう。
すると、先ほどまで俯いたままだった
梅子さんが寅ちゃん1人残った部屋に
再びやってきて再会を喜び合う。

寅ちゃんは、この後時間があれば、と
上野の轟法律事務所に梅子さんを連れて行き
ここでも轟とよねさんとの再会を喜び合った。
そして、梅子さんが離婚せずに
婚家にいた理由がここで明かされる。

あの、司法試験の一次試験の日、
夫から「若い愛人と再婚するから、
お前とは離縁だ、
息子たちとも会わせない」
と言われたことで、
三男の光三郎を連れて家を出た梅子さんは
10日ほどで連れ戻されてしまい、
婚家に戻った。
それから間もなく夫は倒れてしまい、
半身不随になってしまった。

離婚届は提出されていなかったため、
夫の面倒を看る人間が必要ということで
息子たちと一緒にいられるという条件で
10年近く、夫の介護をしてきたという。

この大庭家は、
長男、徹太は弁護士
次男、徹次は戦争で脚を怪我して以来
偏屈で引きこもりの無職で飲んだくれ、
三男、光三郎は学生で、優しいけれど
梅子さん曰く、お人好しが過ぎる子。
そして、姑のつね、
徹太の妻の静子、それに梅子さんという
家族構成。

梅子さんに頼まれて轟とよねさんが
調査した結果、
すみれの出してきた遺言書は偽造という
ことが判明。
彼女は、自分は騙された、
あの人は奥さんにしてくれると言っていたのに
長い間、お世話もしていたのに、
梅子さんに向かって「あんたがいるせいだ」と
散々ごねたが、彼女は追い出される。

その後も、長男は全員に
遺産の放棄を迫り、
自分が大庭家を守るのだから
当然、自分が財産を管理する。
仕事もしていない次男や
学生の三男では管理はできないだろうと
見下した態度を取り、
梅子さん曰く、夫とそっくりの性格。
彼の妻もなんとなく横柄。

長男はね、弁護士、なんですよ?
当然、新民法の内容は知っているはず。
それでも「戦前なら長男である自分が
全財産を相続する権利があったんだから、
今だって、自分が唯一の社会人なのだから
自分に相続する権利があって当然だ」と
言い切る。

次男は「お国のために戦ってきて
怪我までした自分は働けなくても
仕方ないだろう!」という態度だし、
梅子さんの家出で
自分は置いて行かれた、あそこから
オレの人生が狂ったと、全部他人のせいにする。
ま、三男曰く、
家出の時に一緒に行こうと言われたのに
次男は行くのを渋っていたと言っていたから、
事実を捻じ曲げちゃったんだろう。

三男は、優しくて梅子さんを大切にしているのが
よくわかる。人が争うのを見るのも嫌なのか
口論が始まると、やめようよ!と止めに入る。
学生時代、一緒にハイキングに行ったときは、
本当にかわいらしい男の子で、
寅ちゃんも、よねさんも轟も
大きくなった彼を見て感慨深くなってた。

姑は、長男の嫁が、表面上は丁寧にしていても
自分を見下しているのがわかって気に入らない、
それをしつけられなかった梅子さんが悪い、と
梅子さんが自分の面倒を見るのが当然という態度。

梅子さんは、ただ黙って
次男に仕事を紹介したり、酒の肴を出しながら
優しく言い含めてみたりするけど、
基本的には黙って耐えている。
でも、私は相続を放棄しない、と
強い意志を表明する。

そんなこんなで、
誰も自説を曲げないまま
寅ちゃんはこの件の担当になっているのだけど、
知人の場合は、通常担当を外れるところ、
人手不足である、ということで
調停でなんとか収まるだろうし、
大丈夫だろうと言う上司の判断で
そのまま担当を続けている。

そんなある日、
寅ちゃんは、小橋と仕事での外出先にて、
路地裏で男女が抱き合っているのを目撃。
それは、
三男の光三郎と元山すみれだった……!

大庭家で、どういうことだと問い詰められる
光三郎とすみれは
「だって、好きになってしまったんだ」
というよくあるセリフを吐く。
すみれは梅子さんに向かって
「ごめんなさいね、あなたの
大事な者ばかり奪ってしまって」と
心にもない謝罪の言葉を口にする。

みんなが掴み合いの
取っ組み合いになっていると
梅子さんが高笑いを始め、
全員がギョッとする。

そして、梅子さんは
「私は白旗を揚げます。
私は結婚も、子育ても全部失敗した。
だから、遺産は放棄します。
その代わり、この家を出て、
すっぱり縁を切ります。
おばあちゃんのお世話は
みんなで相談して決めてください。
あなたたちを育ててあげられなくて
ごめんね」

そして、高らかに
「では、ごきげんよう‼」と
叫んで、ふすまを開け放して
背筋を伸ばして部屋を出ていくのです。

そこから話はすうっとまとまっていき、
遺産は3人兄弟で平等に分け、
いがみ合っていた彼らが揃って
裁判所の調停員に挨拶に来たという。

梅子さんは、よねさんのところに
居候しながら、彼らのサポートをして
あの甘味屋さんで働いている。

学生時代にも梅子さんの作ってくれた
大きな美味しそうなおにぎりが
再び登場して、よねさんと轟に振舞われる。

梅子さんが初めて轟法律事務所へ来た時に
「ひゃんちゃんや涼子様はどうしているかしら」
ということを口にしていたのだけど、
崔さんのことを口にできない寅ちゃんは
その時には知らないふりをしていた。

梅子さんが握ってくれたおにぎりのお重を
寅ちゃんが、おそらく自分にもらった分を
汐見さん経由で香子ちゃんに届けていて、
勿論、香子ちゃんは一目で
梅子さんのおにぎりだということが
わかって涙ぐんでいた。
香子ちゃんは、女子部に入学したときに
最初に自分に話しかけてくれた梅子さんに
特別な気持ちを持っていたから。

梅子さんの願いは、
三人の兄弟が力を合わせて仲良くすること。

梅子さんが相続放棄して、
家族と訣別することで
兄弟の結束が強まったのは皮肉だけど、
家族というだけで、色々押し付けられては
堪ったもんじゃないと。

民法第730条
直系血族及び同居の親族は、互いに扶(たす)け合わなければならない。
↑これが、なんとも胸糞悪いと思っていたようです。たしか……

梅子さんは子供たちを大事に思っていたし、
ねじ曲がってしまった長男と次男を
なんとかできたらよかったのに、と
思っていたのかもしれないけど、
同居の家族、という枷に絡めとられていた
自分の人生をようやく解放できたので、
相続分がなくても
晴れ晴れとしていたのがよかった。

家族だからこその、ドロドロとしたドラマが
現実でもあちこちであるのだろうと
いうことを考えさせられました。

それにしても梅子役の平岩紙さんが
とってもコメディエンヌなので、
「ごきげんよう!」とかが
すごく特徴的で笑ってしまうwww
普通なら吐き捨てるように
言ったりしそうなセリフなのにね。
なんとも私の語彙が足りなくて
表現しづらいんだけど、
ホント、可笑しい。

それでね、
元山すみれ、という
元・夫のお妾さんであり
現・三男の恋人ですが、
大庭家サイドから見ると
とんでもなく嫌なオンナ、なんですけど、
彼女も強かに時代を生き抜いてきている人。

戦前から妾だったわけだし、
なんなら介護状態が長かった旦那から
離れてもよかったんじゃないかと思うんだけど、
それまでの期間が長いと、
回収しなきゃ、とか
僅かでも本妻になれる可能性に掛けたいとか、
あったのかなぁと。

遺言書を偽造してでも、
三男を誘惑してでも、
最終的には(おそらく)大庭家の嫁に
納まったんだろうから、
もの凄い執念だなと思います。

それだけ、女1人で生き抜くのは
大変な時代だったとも言えるんでしょう。

ね?
大人なら自分でこうやって何とか
しようと思えばできるんですよ。
やり方の是非はともかくとして。

それにしても、
あんなにお母さんが大好きな息子が
父親の妾をしていた女を愛してしまって、
最終的にその、好きな女を取る、という
決断をしたことに、私はまだ驚きを隠せません。
初心なんだろうな、とか
手練れの女には敵わないんだろうな、とか
もやもやと浮かんできますけど、
生き物としては、至極健全なのかもしれない。

あ、あと、
大庭家の相続の場合で出てきた分割方法は
妻 1/3
子 2/3を子の人数で等分
だったので、
今と違うな?と思ってたら、
昭和22年から昭和55年末までに
亡くなった人の相続分までは
配偶者は1/3だったようです。

昭和56年以降は
配偶者1/2
子1/2を子の人数で等分です。
いやぁ、勉強になるなぁ。

最後に甘味屋さんで
全てを終えた梅子さんは、寅ちゃんと
ただの友達に戻って会うことができました。
この時、花江ちゃんも一緒なんだけど、
ここで話した内容についてはまたいづれ。








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