書くってどんなこと高橋源一郎 ・作家はほとんどの場合いつも「考えずに」その作品を書いている ・「なんだか変だ」は怖い。世界の「ほんとう」を知りたい気持ちが生まれるから ・それを「読む」ことで「読む」前とは世界がまったくちがったものに見えるようなもの、そういうものをこそ「書く」べき
松浦弥太郎のきほん ・ほんとうにおいしいものというのは、食べたあとにおいしさがいつまでも残るもの(ホルトハウス房子) ・ていねいというのは、ありがとうという感謝を表すこと ・日々というのは心から味わうことすなわち向き合うことであり、その中から小さなしあわせをひとつひとつ数えること
いま読む『源氏物語』_角田光代 山本淳子 ・対象喪失体験を物語にしたのが「源氏物語」 ・「源氏物語」は「愛は人を幸福にするのか。それとも不幸へと導くのか」という問いの繰り返し ・「権力は人を幸福にするのか、不幸へと導くのか」というのも根源的な問い ・「いまめかし」は「チャラい」?
君たちのための自由論_内田樹 ウスビ・サコ ・資源分配の決定を「管理好きな人=創造とは何かを知らない人」が下す限り、その集団が創造的なものになるチャンスはない ・創造というのは「行きあたりばったりのように見えて、事後的に回顧すると必然的な行程をたどっていたことがわかる」プロセス
三谷幸喜創作を語る_松野大介 ・世間が知らなかった役者の魅力をみんなに紹介するのが僕の役割 ・99%を理詰めで創る。それは1%の破綻を魅力的にするため ・僕が考えるファンタジーの登場人物は靴を履いてなきゃダメ。靴下にファンタジーはない。 ・人見知りだけど人には見せたい
人間通の名言_近藤勝重 ・自分自身に対する誠実さと他人に対するに優しさ 全てはこの二つに包括される 孔子 ・ 知る者は言わず 言う者は知らず 老子 ・人生における究極の喜びとは やるべきことをやり終えたときの快感である ヘイズリット ・音楽とリズムは魂をその秘奥へと導く プラトン
人新世と芸術_岡田温司 ・植物園は植民地主義の権力と知が根付く象徴的な場 ・エコロジーとはアートとサイエンスの合流点の別の呼び名 ・ターナーにとって工場の煙突や蒸気機関は大英帝国の繁栄と近代文明の勝利の象徴 ・モネの描くロンドンの霧の正体は実はスモッグ
好きを言語化する技術_三宅香帆 ・感想を書くうえで大切なのは読解力でも観察力でもなく妄想力 ・面白さとは「共感」か「驚き」である ・書き終わったあとで「あ、これが伝えたいことだったのか!」とわかる文章はいい文章になることが多い ・最果さんは「最大公約数の言葉」を綴るのがすごく上手
倉俣史朗を再読する_鈴木紀慶 ・作品がグッド・デザインになるのではなく、自分の手でグッド・デザインの権威を否定してゆきたい ・すべてが浮いた状態になった時にあらゆるヒエラルキーが自然になくなる ・手で触れられるものだけでなく、匂いや光みたいなものまで素材としてあるのかもしれません
わからないままの民藝_朝倉圭一 ・かつサンドみたいな本 ・人は家族や友達や仕事や地域のことを「わからないけれどもいい」という感覚で好きになる ・民藝も温もりと儚さを併せ持つ「わからないまま」ただただ愛おしいもの ・美の中核に触れるには直観が必要。知識だけではできない(柳宗悦)
梶浦由記_君塚匠 ・「聴いている人に意識させることなく、いつの間にか感情が盛り上がっていた」→BGMのひとつの理想 ・曲作りは全て「妄想」から始まる ・気持ちの波そのままに音楽にする「読書感想文的な感覚」 ・「私の音を聴け!」と思っている人の音じゃないと多くの人の心には届かない
死ぬということ_黒木登志夫 ・老化しないためにはがん細胞になるほかない ・食べられなくなった人に胃ろうをつけるのは日本だけらしい ・死別の悲しみの最も有効な対処方法は泣くことである ・モリーは火葬を望んだ。そして一つ付け加えた。「焼きすぎないように気をつけてくれよ」
ロシア文学の教室_奈倉有里 ・ニヒリズムという言葉のきっかけがツルゲーネフ「父と子」 ・突然の沈黙をことわざで「天使が通りすぎた」という ・抑圧の時代に希望を描こうとすると必然的に自伝性と児童性が重要になる ・人は誰でも自分を肯定したいし自分を人に誇れるように人生観を作るもの
なぜ働いていると本が読めなくなるのか_三宅香帆 ・読書や教養とは、学歴のない人々が階級を上がろうとする作業だったのかもしれない ・インターネット的情報と自己啓発書の共通点は、読者の社会的階級を無効化するところ ・自分に関係ないノイズの文脈を取り入れる余裕を持てる「半身」で働こう
読んでばっか_江國香織 ・小説にも人生にも意図や計算では行けない場所がある ・美しい無駄をふんだんに盛り込んだ文章は、ごくごく飲みたいくらいおもしろい ・メニューを読むことは喜びであり哀しみである。かつて生きていたものたちの命の羅列、一度食事をする度に一つ死に近づく私たち自身の生
つげ義春が語るマンガと貧乏 ・ジクジクしたマンガを画く人は世の中のほうを向かないほうがいい ・創作行為は作者を虚構化する。未熟な心の何かを模索していたのかもしれない ・登場人物その他全てを思い通りに動かすとリアリティのない嘘になってしまう ・蒸発は意識を保ったまま死を体験している