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下に

腕時計を気にしながら
階段を急ぎ足でくだる
地下鉄の生温かい風がふく
一段降りるごとに薄暗くなる

一段一段
ぬるりとした闇の中を
いちだんいちだん

腕時計が闇に溶けていく

はて
この先に
なにかあったのだろうか
私は
なにを降りているのだろうか

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