エコハウスのウソ
要約
いまの建築基準法では「省エネ(H25・断熱等級4)」が努力義務化されている。
しかしH25基準の基準値はかなり大きく、レベルは「低い」。
国が省エネ基準で断熱のレベルアップを図る意思がないことから、民間でよりハイレベルな基準を策定する動きが出てきている。
その一つが断熱の研究者や企業で組織された研究会「HEAT20」である。
大事なことだが、断熱は、断熱材をただ入れさえすれば良いという話では決してないのだ。
断熱効果を確実に発揮させ、隙間風の侵入や暖気の流出を防ぐためには、「気密」が絶対に必要である。
この気密の規定が、H25基準からスッポリ抜け落ちているのである。
本当に温かい家がほしければ「省エネだけ」基準を超えた断熱、そして空気の勝手な振る舞いを許さない「気密」が不可欠なのである。
人が一番不快に感じるのは「熱い天井」、次に「冷たい壁」である。
「熱い天井」や「冷たい壁」を防ぐためには、「断熱・気密」をしっかりするしかない。
窓は、アルミサッシではなく「樹脂サッシ」。
断熱は、結論を一言で言えば、住宅の断熱に「魔法」はない。
肝心なのは断熱材や構法の種類そのものではない。
断熱材がしっかりと断熱できる状況になるようキチンと設計・施工できる「現場力」が生命線なのだ。
太陽光発電は、初期コストを負担できる人には、積極的に採用することをお勧めする。
本書では一貫して、まず第一に化石エネルギー(石油、天然ガスなど)の消費量が少なくて済む家をエコハウスと呼んできた。
化石エネルギーの消費を減らすためには「外皮性能の向上(断熱・気密)」・「自然エネルギーの活用(太陽光の設置)」・「高効率設備(ヒートポンプを中心とした少ないエネルギーでニーズを満たせる設備)」の3つが柱となる。
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