デザイナーが考える🇦🇺カフェの良いとこ
シドニーでの生活も残り1ヶ月になりました。
あと少ししかないので、観光気分でいろんなところに行ってやろ〜〜と思ってる最中です。
普段僕はデザインの勉強をしているのですが、将来は自分のカフェを持ちたくて、カフェ巡りが趣味です。
その中で、そろそろオーストラリアと日本のカフェが比較できそうなくらいの体験を積めたので、まとめていきたいと思います。
1. 日当たりがいい
オーストラリアのカフェは、総じて日当たりがいいです。
特に道路に面している店舗や入り口の大きい店舗は、大きな窓を持っていて非常に明るい雰囲気になっています。やっぱり日当たりがいいと活気があるように感じますし、外から見たときに中の活気いい雰囲気がわかるので好循環ですよね。
僕は基本的に自然光が入ってくるお店が好きなので、オーストラリアはそういうお店が多くて楽しいです。
2. 色使いが上手い
色使いが上手いお店が非常に多いです。
キーになる色を一つ決めたら、無彩色を使いつつ、要所要所でキーカラーを邪魔しないように他の有彩色も使っていくのが上手いです。
これはカフェだけではなくて、オーストラリアの空間デザインは凄く上手いような気がします。
緑が多いのも特徴かもしれません。
日光を入れやすいと、植物が映えて見えますね。
こういうカフェは日本にはあんまりないと思ってます。
無彩色のお店は結構ありますが、キーカラーを決めているお店は少ないな〜と。もっと増えてきてもいいのに。
3. ブランディングが上手い
これは色使いの話と関係しますが、SNSやWebを通したブランディングが上手いんです。
それに気づいたのは、僕のロールモデルだと勝手に崇めさせて貰ってる井澤さんのnote。(空間が好きな方は井澤さんのnoteを読むのおすすめです、お店のチョイスはもちろん、言葉選びも素敵です。尊敬してます。)
シドニーのCBDから離れたところにRollers Bakehouseというお店があるんですが、そこのwebやInstagramが可愛すぎて・・・
色を決めて、そこから内装やマーケに活かすのって実際やってみると難しいしです。
色をうまく使ってお店のアイデンティティに昇華してるのを見ると、すぐ好きになっちゃいます。
4. ホスピタリティがすごい
日本の接客態度、おもてなし文化は世界に誇るものだと思います。
ただオーストラリアも負けてません。
こっちは結構フランクに、友達感覚で丁寧に接客してくれます。
代表的なのは、お店を出る時に Have a good day!(良い1日を〜)って言ってくれること。きっとこれは英語圏の文化だと思います。言われなくてもいいんだけど、言われると気持ちよくお店のその体験を終わることができます。
なので僕はいつも言うようにしてるし、言われたらyou too!(君もね〜)って言うようにしてます。
余談ですが、京都のHOOに行った時に初めて「良い1日を!」って言われたのを鮮明に覚えてます。古民家を改装してコーヒーと融合させていて、本当にいいお店です。おすすめ。
あとはサーブしてくれる時に「ごゆっくりどうぞ」の感覚でenjoy!って言ってくれたり。何かをお願いするときにeasy!って返してくれたり。
総じて英語圏は言葉がポジティブで明るい雰囲気を感じます。
敬語がないのも理由の一つでしょうし、国民性・文化的にポジティブなのもあるかもしれませんね。
基本的にこっちのカフェの店員さんは笑顔が素敵で、めちゃくちゃ接客姿勢がいいです。常に明るく、仕事を楽しんでいるように見えます。
今日行ったカフェのお兄さんはR&Dの流れる店内で踊ってました。
日本だったらめちゃくちゃ怒られるくらい。こういう自由な所もいい所ですよね。
店員さんを見ていると、あまり若い人はいないような気がします。
基本が社員っぽくて、アルバイターの学生はいないかもしれません。
日本人以外の年齢を判別できないのはありますが、熟練のスタッフだからこそ醸し出せる雰囲気があるのかもしれませんね。
5. デキャンタ置いといてくれる
これは結構細かいところですけど、地味にありがたいです。
日本は店員さんが都度注いであげて、回数が多いとデキャンタ置いておくスタイルだと思います。
そのほうが長居されなくて回転数が上がりますから。
ただこっちは席に通される段階から置いてくれてて、ドリンクが届く前やなくなった後でも、お水を飲みながら談笑することができます。
これはオーストラリアのカフェ文化を反映しているような気がしていて、利益よりも「お客さんに時間を楽しんでもらう」ことを選んだ良い例だと思ってます。
6. 朝早くから空いている
本当にオーストラリアの朝は早くて、朝6時からカフェが空いているなんてざら。オージーたちは一日何杯もコーヒーを飲みます。これがコーヒー文化と言われる所以。
感動したのが、朝9時にカフェに行くとおじさん4人が朝ごはんを食べていたこと。日本だと朝からモーニングを食べているおじさんの数は極端に少ないし、そもそもおじさんはカフェにいません。いるのは女性と若い男たち。
対してこちらでは集団のおじさんが朝ごはんを食べているんです。
老若男女、あらゆる世代に「カフェに行く」「コーヒーを飲む」と言うことが浸透しているのを感じた出来事で、一番の衝撃・カルチャーショックでした。
ただ朝早くから空いているのはデメリットでもあって、閉まるのがめちゃくちゃ早い。
昼の2時に閉まるお店がたくさんあります。
僕は昼ごはんを食べたらコーヒーを飲む、純日本の文化に慣れているので、いわばこの3時のおやつの時間で店を探すのに苦労します。
きっとこの「おやつの時間」も文化の違いなんでしょうね。
どうやらオーストラリアは朝から1日に何百杯もコーヒーが売れるので、売れ行きが落ちてくる午後にお店を開ける意味がないんだとか。
日本だとコーヒーだと利益率が悪いからと、利益のよく出るバーも併設してカフェ&バーを開くことが多いですね。
逆輸入じゃないですけど、早朝からアルコールを提供して夜まで空けておけばオーストラリアのカフェはもっと利益を上げれるんじゃないかな、とか思いましたけどそこまでしないんですよね。
夜は外に出ない文化性もちょっとあるのかもしれません。
7. マーケティング臭をあまり感じない
僕はオーナーやチームの表現したい空間を訪れるのが好きです。
ただ日本には利益重視・訪問数重視のカフェが結構あると思っています。
最近で言うと昭和レトロをコンセプトに新規開店した喫茶店とか、真っ白な韓国風のカフェとか、エモを打ち出すカフェとか。
もちろんビジネスなので、利益がないとお店を続けることができません。
けどもこう見え見えのコンセプトを打ち出されると、僕は敬遠してしまいます。
その点オーストラリアはこういうカフェは少ないように感じます。
(僕がこの国のトレンドを理解してないだけかもしれませんが。)
オーナー・チームの表現したい空間・体験を味わうことができるので、どこに行っても気持ちいいです。
さすが、スタバを追い出した唯一の国。
シドニーCBDのスタバは9店舗。
出店戦略を綿密に行うブルーボトルは上陸していません。
8. デメリット
・高い
物価高いのが原因です。コーヒーは5ドルなので日本並みですが、ランチを食べようとすると20ドルします。たけえ。
・トイレがないところが多い
これは本当にどうにかしてほしい。ビルの路面店だとないところが多くて、近くのビルに行くように言われることすらあります。
一番びっくりしたのは、スタバに行ったら「隣のビルから地下鉄の駅に行って、改札内のトイレ行って」と言われたことですね。
これも物価高による家賃高とかが原因なのかもしれませんが、せっかくいいお店なのにトイレがないと一気に萎えます。
逆に、トイレまで作り込まれてるとアガりますね。
この国に来るまで、「オーストラリアのカフェ文化、何たるものぞ」くらいの気持ちでいましたが来てびっくり。
本当に素晴らしい文化です。
これは訪れた日本人たちが、帰国して再現しようとするのも分かります。
僕の滞在は残り1ヶ月。この文化を噛み締めて、自分の夢に取り入れたいものです。