神隠し
実家の部屋のカーテンの隙間から洩れる日の光を眺めて 生まれた日のことを思い出していた それから この部屋で育った20年の記憶をぼんやりと追いかけるひととき あるいは夢 母親が離れて暮らすことになって毎晩泣いていたこと 慰めるように差し込んだ月明かり 祖母から教えてもらった詩 お気に入りの花 初恋 すきな音楽をかけながらすきな女のことばかり考えていたこと プライベートビーチとほんとの空 2Lの水と数冊の漫画を枕元に置いて横になる 何がしたかったとかこれまで出会った人の名前とか時間や場所さえ忘れて思い出すのは結局 詩 花 夢 すきだった女
おれのアタマいつまでこれで食ってく気なんだろうな 回復できればなんでもいいが
アタマの中に広がる故郷の海 残飯の餌に群がるカモメ 腹いっぱい食ったやつから飛び立って雲を追いかけていく その様子をおれの目が追いかける 腹はずっと減ったまま 武士は食わねど高楊枝っててめーに言い聞かせる 育ち盛りの食い盛り
That's my secret, I'm always hungry.
——これから東京に戻る 算段はある 勝機もある やることやってれば天運もおれにつくだろ 自分の意志でつくってきたstory ここまできていまさら天分の誤算をしでかした可能性に気づいたとき青ざめたし眠れなくなるほど震えたけど勘違いでも手遅れでもやることやるだけだった もうおれはnoとは言えないんだぜ やると決めたことはやるし遅いとしても立ち上がる このように生きると決めたらムダと言われてもばかくせーって笑われても上等だって生き抜いてみせる それならそれでその掟を自己の内面深く 打ちたての鉄の如く強く強く押し固め積極的に徹底的に肯定する なにが掴みたいのかわからなくても手を伸ばすし どこへ向かっているのかどこへ辿り着くのかも気にせず走り続ける その先になにもなくてもいい たとえすべてが徒労に終わっても構わない 苦しくても止まらない 痛くても動き続ける 忘れてくれるなよ やってやろうぜ たたかいは続いてる 負けんな いねぇぜピンチランナー
peace to you(広義) これは美しきおれたちに向けた激励 応援歌です
都に向かう車内で目を閉じたまま先生の言葉を反芻した
そうですね おれもまた おれもまたついに青森を出た心持がした
あとがき
今回の文章は田舎から帰りの車内でiphoneのメモに書いていたんですが、iphoneさんが電源切れたきりついに起き上がらなくなってしまわれたので、帰宅後laptopから投稿しました。はじめての試みなので改行とかどのように見えているのかわかりません。いろいろ触ってみたけど結局なんかキーボードをぱちぱちやる練習しただけで、ほとんど推敲を経ていない下書き状態です。おれはIT原始人なんだ
iphoneさん、まあもった方でしょう。去年の5月に闇医者に応急処置*してもらった時1週間もつ保証はないと言われましたからね。それどころかその日家に帰って起動しなくなってもおかしくないという状態で、おれの気持ちに応えるように、よくぞ1年と3ヶ月生き延びてくれました。初代の眠る墓へ手厚く埋葬いたします。バックアップは7月にとったのが最後なので、故郷で撮った写真とか日記やインスピレーションのメモ書きはまるごと消えてしまいました。
2024 おれの夏休み 無限 からの夢幻 なんだったんだろうな一体
家の前に住み着いたニャンコロに餌付けしたり 4人のいとこと花火したり 漁師の友だちととった魚介を近所の小学生姉妹にあげたり お返しにちっこい蟹とメロン半切れもらったり 本堂でバカ騒ぎしてたら謎の停電が発生したり 月下の海辺で歌を披露したりした記憶があるが 神隠しにでもあっていたのかな いくつかのロストテクノロジー 過ぎ去った優しさ 甘い記憶 なんにもなかったわけじゃねぇんだぜ でもよ
これでよかったのかもしれないな。ひとり都の夕暮れにふるさと思ひ涙ぐむ 郷愁はそのくらいに留めて、今は前だけ向いとくぜ、まだ始まっちゃいないんだから。
just do it なんだから
2024 おれたちの夏 無限 炎天 若さ 美意識 陶酔
*https://note.com/lovelovepoet/n/nd8b873d012ec?sub_rt=share_sb
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