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頭痛のはなし
テレビでこの CM を観て、ふと思い出すことがあった。
私も小学校3〜4年の時だったろうか。
生まれて初めて自覚した“頭痛”に悩まされたことを。
私の頭痛は特殊なものであった。
いきなり頭が痛くなるのではなく、まず異常をきたすのは“目”だった。
うまく表現できないのだが、まず目の奥の方で光を見る感覚が突然生まれる。
きらーんと輝く、鋭くて強い光。
思わず目を瞑ってしまうほどの光を感じ、そのあと必ずといっていいほど、激しい頭痛が襲ってくるのだ。
俗にいう“片頭痛”。
吐き気を催し、必ず気分が悪くなる。
だいたいこの光と痛みと吐き気がセットになっているので、光を感じた瞬間、「あ、またきた」ととっても嫌な気持ちになったものである。
当時まだ私は子供だったので、医学の知識もなく、「これはなんなんだろう」とは思いつつも、特に親に言うこともなく、頭痛が治るまでただただジッと我慢していたように記憶している。
その症状はひどい時は月に1〜2回程度、空く時でも3〜4ヶ月に1回の頻度で出現し、そのほとんどが家の中で起こっていた。
理由は特に思い当たらずで、ゲームをたくさんしたり、漫画を読み漁っていた記憶もない。
小学生の頃は“飛蚊症”という言葉も聞くことはなかったのだが、中高生になった頃に初めてその病いを知り、「もしかして」と、ひとりでこっそり眼科を受診したこともあった。
しかし眼球に異常はなく、医師からは「ストレスが原因かな」と言われ帰されたように記憶している。
それから大人になり、結婚し出産を経て、気がつけばその症状は出なくなっていた。
体質が変わったのかも知れないが、それは自分にとってみたら嬉しい誤算で、このまま一生その辛さと付き合っていくものと思って諦めていた私は、そのことに気付くとかなりホッとしたのを覚えている。
病院勤めをしていた頃、頭痛外来を担当していた時期があった。
頭痛に悩んでいる人がとても多いこと、頭痛というものに真摯に向き合っている医師がいるということ、そして正しい治療法をすれば、決して諦めなくても改善されるものであるということを知った。
しかしそれがまだ幼い子供だとしたら?
私が昔そうだったように、親に相談することもできず、何が起こっているのかわからないまま、ただ我慢するしかない子供たちがいるとしたら?
親や周りの大人たちが、子供たちの日常を観察しながら、少しでもその子の異変を察知できれば良いのだが。。
一言で頭痛と言っても、奥が深いのが頭痛。
種類も色々あり、原因も様々である。
頭痛の辛さはその人にしかわからない辛さ。
その辛さを少しでも理解することができれば、そしてその痛みを少しでも緩和することができれば。
むやみに市販薬を使ってみるのではなく、まずはかかりつけ医に相談することをおすすめする。
大きな病院では“頭痛外来”という専門外来があるので、そちらを紹介してもらうのも良いと思う。
辛いときは我慢せず病院へ。
そして大人は子供の SOS を見逃さないで。
最後までお読みいただき有難うございました♪
ではまた。 Tomoka (❛ ∇ ❛✿)