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テーマは『夫婦愛』〜心が動いたドラマ2選〜

4月期の新しいドラマが、そろそろ始まろうとしています。

そんななか、2作品の特別ドラマが放送されたので、その感想 note を綴りたいと思います。

1.私小説

ひとつめは、4月7日(金)・8日(土)の2夜連続で放送された、瀬戸康史さん主演のドラマ『私小説-発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-』。

原作は、市川拓司さんの小説「私小説」。

ん?名前に見覚えが…。

そうです。

『いま、会いにゆきます』の作者です。

そして脚本は、岡田惠和さん。

同じく、映画『いま、会いにゆきます』の脚本家。

ドラマの代表作でいうと、『泣くな、はらちゃん』や『姉ちゃんの恋人』などなど。

どちらも大好きだったドラマです。

今月末からスタートするこちらのドラマも、この岡田惠和さんが脚本を書いてらっしゃいます。

生田斗真くんの奥様、清野菜名ちゃんや、モエカレで注目された生見愛瑠ちゃん(めるる)が出演。

岡田惠和さんの完全オリジナル作品だそうで、今から楽しみです。

話しを『私小説』に戻します。笑

今回のこのドラマ。

『私小説-発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-』は、市川拓司さんのまさに私小説なのです。

「ぼくは選択的発達者だ。
ある集団に属する人間たちの能力や人格を平均化したとき、そこから大きく外れている項目がいくつもあるのが選択的発達者。
おおむねどの項目も平均からさほど離れていないひとたちは平均的発達者。」

「ぼくは数分執筆しては数分走るというインターバール方式で小説を書いている。
選択的発達者であるぼくの脳は過敏であると同時に、ひどく興奮しやすくも出来ている。
危機的状況に置かれたときの人間と一緒だ。
よく言う「闘争か逃走か」。
ぼくはありえないほどの平和主義者なので闘争という選択肢はない。
つねに逃走。
ゆえに、ぼくにとって走るってことは「逃走」の代替行為なのだとも言える。」

愛妻家で発達障害を抱えた恋愛小説家の、日々追想発作に苛まれるスリリングで感傷的な日常を描く。

(※出版社からの内容紹介文より)


『選択的発達者』、『平均的発達者』。

初めて聞く言葉です。

市川拓司さんはこう説明されています。

選択的発達者とは、ある集団に属する人間たちの能力や人格を平均化したとき、そこから大きく外れている項目がいくつもある人たち。

平均的発達者とは、ある集団に属する人間たちの能力や人格を平均化したとき、おおむねどの項目も平均からさほど離れていない人たち。

主人公が一番苦手としているのは“争いごと”。

人一倍繊細であるがゆえ、無作為に人々から発せられる悪意に耐えきれず、突発的に心身が乱れてしまうのです。

人が人を罵倒していたり、陰で悪口を言っているシーンに出くわしたりすると、とても心が疲弊してしまう。

そんな経験ありますよね。

私はたくさんありました。

「どうしてもっとみんな仲良くできないのだろう、どうしてもっと優しい世の中にならないのだろう」

物心ついた頃から、常々よくそんなことを考えながら生きてきました。

その種となるものが、父親の母親に対する暴言でした。

主人公ほどの生きづらさはありませんでしたが、『どうして?』という疑問が常に頭の中にあり、こんな生きづらい世の中をうまく生きていくにはどうすればいいのか、そんなことばかりを考えていた子ども時代だったように思います。

また少し話しが逸れてしまいました。

そんな主人公が心から愛する存在、それが上野樹里さん演じる奥さまでした。

奥さまもまた、大きな愛と一歩引いた俯瞰の目で夫を包み込み、そして寄り添います。

愛するが故に苦しむふたり。

奥さまが主人公にこう言います。

「これからも私を楽しませて」

発達障がいの主人公が純愛小説家になれた理由。

それはまさしく、おふたりの深い愛だったんですね。

2.幸運なひと

清野菜名ちゃんの旦那さま、生田斗真くん主演のこのドラマ。

3月6日(月)に NHK-BSP/4K で放送され多くの反響があり、新たに編集を加えて地上波での放送が決定。

前編は4月4日(火)に、後編は11日(火)に放送されました。

脚本は吉澤智子さん。

代表作には『初めて恋をした日に読む話』や『あなたのことはそれほど』など。

今回のこのドラマは、夫をがんで亡くした吉澤智子さんご自身の実体験をもとに作られています。

ご本人役には、多部未華子さんが演じておられます。

【あらすじ】

拓哉(36)は中学校の保健体育の教師。
仕事に力を注ぎすぎ、家では面倒なことは後回し。
一方、音楽事務所でミュージシャンのマネージャーをしている妻の咲良(34)は、ようやく自分の人生をつかみつつあった。
拓哉のがんがわかったのはそんな時。
二人は先送りしてきた問題「子どもを持つかどうか」の選択を突き付けられた。
普通の暮らしがどんどんできなくなる二人は「命の時間が子どもを作るタイムリミット」という現実に直面する。
そんな中、拓哉は「妻の将来に嫉妬しない」と心に誓った。
一方で、「自分の仕事を犠牲にして夫に尽くしたほうがいいのか」と悩む咲良は…。

【企画の背景とねらい】

この物語は、いわゆる「闘病記」ではありません。
お互いを傷つけないよう気を遣って生きてきた夫婦が、夫のがんをきっかけに、お互いキレイ事なしに向き合って関係を再構築する夫婦の物語です。
生涯に、2人に1人がなるといわれる「がん」。
多くの人ががん患者や、その家族になります。
嘆き悲しむだけでは日常は乗り切れません。
いかに「笑って」生きるかを追い求めた結果、物語は命を生き繋ごうとする、あらゆる方に響くドラマとなりそうです。
人は病だから不幸になるわけでない。
そんな願いを込めたタイトル・「幸運なひと」の、たくさんのラッキーを、見届けてください!

(※NHK公式HPより)

とても丁寧に、そしてリアルに描かれたドラマだと思いました。

ある日、探し物をしていた妻は、夫が克服したい課題を記した“できないことノート”を見つけます。

そこには『負けない』『死なない』などの言葉のほかに、『妻の未来に嫉妬しない』という言葉がありました。

コレ、すごくリアルですよね。

私もがんを患い、つらい経験を乗り越え、今こうやって生かされています。

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は(2019年データに基づく)、
男性…65.5%(2人に1人)
女性…51.2%(2人に1人)
と言われています。

2人に1人なんですよね。

誰しもがん患者、そしてその家族になる確率は極めて高い。

私がこうやって今生きているのも、そう“奇跡”なのです。

教師である主人公の“最後の授業”が行われた際に、彼が教え子に話した内容もとてもリアルでした。

「“何かをしたい”って心が動く欲望、エゴが“生きる”ってことなんじゃないかな。
エゴは我のまま、わがまま。
自分の本当とも言えるかな。
この社会でわがままをぶつけられる人にはそうそう出会えません。
出会えたらラッキーです。
もしそんな人と出会えたら、勇気をもってエゴをぶつけ合ってみてください」

彼にとって、それが奥さまでした。

「俺はラッキーだわー。ついてるわー」

自分のことを常にそう話していた主人公。

それこそが、このドラマのタイトルなのですね。

ドラマの中でも出てきた絵本の関連記事もあり、こちらも夢中になって読みました。

そして舞台裏のドキュメンタリーが、4月13日(木)深夜00:35から放送されるようです。

こちらも必見です。

さいごに

内容を知らないまま鑑賞したこの2作品。

偶然にも、どちらも『夫婦愛』が描かれていました。

実体験だからこそ、伝わる力も強い。

そんなふうに思いました。

『夫婦』とはなにか。

『愛』とはなんなのか。

『生涯を共にする』とはどういうことなのか。

愛する人と死ぬまで連れ添うということ。

私には成し得なかったことです。

今のところ。笑

羨ましくもあり、改めて尊いことだと感じることができた2作品でした。




最後までお読みいただき有難うございました♪

ではまた。        Tomoka (❛ ∇ ❛✿)

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