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号泣したアニメ『不滅のあなたへ』
年始にNHK Eテレにて、全話一挙再放送された
アニメ「不滅のあなたへ」。
そもそもアニメや漫画はほとんど観ない。
全く聞いたことも観たこともないアニメであったが、なぜか私はその題名に興味を持ち、録画をし、2日に分けてほぼ一気見をした。
1話25分の全20話。
それほど面白く、引き込まれた作品だった。
というよりかは、このストーリーを作った方は、いったい私たちに何を伝えようとしているのか、何がきっかけでこの話しを考えついたのだろうか…、そればかりを考えながら視聴していた。
観察者によって、地上へ"球"が投げ込まれた。
その"球"はありとあらゆるものの姿をうつし、変化することができる。
"それ"は石、コケへと姿を変え、南方から現れたレッシオオカミへと姿を変える。
あてもなく歩き続けると、一人の少年に出会う。
雪に包まれ、地平線がどこまでも続く世界で少年は一人で生活していた。
少年は豊かな土地に夢を馳せ、旅を始めるも挫折。志半ば命が尽きる。
"それ"は少年の姿を獲得し、あらゆる刺激を求め、歩きはじめた。
その様子を、観察者は常に俯瞰していた。
(※Wikipediaより)
著者は大今良時さん。
映画にもなった話題作『聲の形』の作者である。
『不滅のあなたへ』は、2016年から週刊少年マガジンで連載されている作品。
2021年4月の時点にて、単行本において15巻まで刊行されているらしく、第43回講談社漫画賞において少年部門を受賞したという。
テレビアニメは、2021年4月から放送されていたらしい。
私が思うに、この作品のテーマはズバリ〝人の死について〟である。
謎の存在によって地上に投げ込まれた球体、それが本作の主人公であるのだが、その球体は地上のあらゆるものを記録するため、様々な存在の姿を獲得して変化を繰り返すのであった。
石からコケ、オオカミを経て、人間の姿を得た球体。
不死身であることから、旅の途中で出会うある少女から〝フシ〟と名付けられた少年。
フシは記録すべき情報を求めて旅を続ける中、様々な人たちの生き様とその最期に立ち会うこととなる。
人間はいつか必ず死んでしまう生き物だということを知るフシ。
いったい自分は何者なのか…を探し求め、自分を狙ってくる怪物と闘いながら旅を続けるフシは、いつしか形の無い「心」をも手に入れるように。
人の死に直面した時〝悲しみ〟という感情を、殺されたことに対し〝憎しみ〟という感情を覚える。
人を殺めてしまうことへの恐怖から、闘うことを躊躇するフシ。
初めはただの石ころであったフシが、感情をコントロールできる人間もどきに成長していくのだ。
不死身である故の苦悩。
最終の20話で、育ての親とも言える老婆の死を見届けたあと、たったひとりで生きていくことを決意し、場面は数十年たったところでジ・エンド。
しかし話は完結していない。
今回のエピソードで一旦幕を下ろしたアニメ「不滅のあなたへ」は、今年2022年の秋には、第2シリーズが放送される予定だという。
内容は、数十年たったところから始まるのだろうか。
調べてみると、漫画では〝現世編〟が出ているらしいのだが、なるほどフシは不死身なのだから、いまも存在しているというわけである。
不死身って、どんな気持ち…?
これ以上人が死ぬのを見たくないからと、ひとりで生きていくことを決意したフシは、いったいどんなふうに何を思って生き続けるのだろうか。
フシを作り出した観察者はいったい何者?
その観察者役の津田健次郎さんの声が、個人的にたまらなく好きなのだが、津田さんの声で物語が語られていることもあり、彼がなんのためにフシを作り出したのか…を最後にははっきりと作者からのメッセージを受け取りたいと思っている。
その題名に興味を持ち見始めたこのアニメ。
〝不滅のあなたへ〟というタイトルには、もしかしたら全世界の人に向けての『命』のメッセージが隠されているのかも知れない。
最後までお読みいただき有難うございました♪
ではまた。 Tomoka (❛ ∇ ❛✿)