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愛と希望の町

「この町、もう飽きた。」という言葉を思ったたびに、現在だけに集中していた。その一瞬の苦しみを超えて見られなかった。または見たくなかった。今は、去らなければならないのだから、おかげさまでどれだけこの純真な田園の少女が変わったか考えるしかない。また変わったらずっと忘れられない、この町の私。これはなんか愛している人達と愛している町へのラブレター。

2018年10月1日、初めてここに着いた。まだ大学や未来に信頼があった私は自分で歩き始めた、田舎の町と人から遠く。親友と家族からも遠く。ここに来る前にどれだけ完全に一人でこの町の通りを歩くだろうと思ってばかりいた。朝でも、夜でも、夢さえでも、全想像力を解き放っていた。その2018年の夏休みは高校を卒業した後に、なりたい人になる旅を始めるのは待ち切れなかった。その時までそんなに前向きだったことがなかった。だって、期待に騒いていたから幸せだった。
ここに着いた日に、最初の友達に出会った。本当は、運命の出会いだったと思う。大崎ナナと小松奈々と違って、同名ではなかったが、同居人になった。あの日まだ鮮明に覚えている。午後七時、私はまだ部屋の準備をしていた間、彼女は家に帰ってきた。最初に自己紹介をして、すぐ彼女が面白い人だと思った。建築専攻の二年生だったのに、全然好きではなかったと直接に言った。彼女は外国語を勉強したかった、あるいは芸術専門学校に行きたかったけど、ご両親に建築学校を課された。あの十月一日、あの女人生を変えてくれた。
私達の最初の晩御飯は滑稽だった。遅くてスーパーはもうすぐで閉まるので小さい買い物だけできた。ヨーグルトに漬けたラスクだけ食べたのは恥ずかしいと思って、母に電話がかかったとき嘘をついた。「はい、パスタを食べてるよ!心配することないよ!」と答えた、無駄な詳細を付け加え続けた。いいペストを一緒に作ってみたりしたなどと言ったが、本当は食器や料理用具さえもなかった。目の前にいた彼女はまずクスクス笑って、後で爆笑した。「なんて最高の嘘つき!」と笑って言った。生まれたころから友人だった感覚があった。
ほぼ三年間後まだ笑わせる。食べながら、自分達の経験や好みなど語り合った。彼女と話して「自分でいてもいい」ということが分かった。自分を自由にし始めた。あの夕食は私の最も幸せな記憶。

一年ぐらい一緒に暮らしていた。一緒にしたこと、一緒に観た映画、一緒に行った場所、一緒に食べたもの、一緒に飲んだり踊ったりしたとき、一緒に深夜話したり泣いたりしたとき、あのことを思い出すと涙がこぼれることしかできない。あの一年間服と肌をはがして、彼女に自分の不安と秘密を見せた。彼女と直面するのが怖い話が一度もなかった。誰よりも彼女は私のことを知っている。嬉しいことに、私はもう一人ではなかった。彼女も自分らしく裸みたいに心を開いて、私を入れられてくれた。目を閉じると、六月の日暮れのもみじ色の境界線を眺めながら橋の上で座っている二人が頭に浮かぶ。彼女が藤を見て写真を撮っていた一方で、私は穏やかにノーベンバーズの「ただ遠くへ」を囁いたかのように歌っていた。自分が大好きなことをしている二人。
真実だろうか?幻想だろうか?なんであれ、咲いた藤の香りがする、彼女のことを考えることしかできない。
心から、愛しい町、彼女に出会わせてくれてありがとう。いつか感謝が追いつくだろう。
彼女がなかったら、恐らく私は今いないかもしれない。もう一度それくらい嬉しくなれるだろうかな。

この町で、愛も初めて知った。なんて説明できないことね、愛は。初めて誰かを恋するようになった。最初に2019年5月に出会った。「友達」の友達だった。でもこの人と失恋について書くつもりではない。もう十分にこの人とのことを語ったので、今生きた場所や愛する友人達を登場させたい。ちなみに、去年コロナ禍のせいでほとんど地元にいた。では、あの「愛」をほとんど体感しなかったばかりではなくて、この親しい狭い道を通れなかった。毎夜ここに戻りたいと祈っていた。この町は自立、大人として暮らすことを意味するようになってきた。

だから、ここに戻ったら、失恋のあと、もう一回一人だと思った。町を歩いてるときその人を見かけるのが怖かった。そして11月になっていた。家にいたり、天井を眺めたりしたまま憂鬱から隠れていると思っていた。むしろ、その憂鬱こそに溺れていた。家をほとんど出なかっただけではなくて、自分の感情を思い巡らすとか内省する代わりに、いつでもどうしても気を紛らすようにしていた。人と話したくなかった、友達でも、家族でも。続いて、ルームメイトとの生活はかなり難しくなった。私自身のせいで。なお、憂鬱を目に見ることにしたので、また散歩に出かけ始めた。毎日のように、日暮れの前に長い散歩に行くことは習慣になった。この町の秋の雰囲気は無比だから、優しい日差しの下昼過ぎに歩いて安らぎと再び一緒になった。冬に入っていた一方で、瞼の裏に隠れた空は晴れそうだった。

偶然、そのとき優しい男に出会って、三回散歩して付き合った。実は私達二人の間には何もなかったと思う。ただ純粋で相互のシンパシー。最初に夢中になったのは私の方だった。心が壊されてから、繰り返して傷付かれてたもろい人間に愛と優しい気持ちを間違えるのは思うより簡単。でも彼との関係は今まで本当に最も健康なものの一つだった気がする。たくさん話した、私達。今少し離れたけど。彼が地元に帰ったから、仕方ないと思う。一緒に歩いたとき冬だった。めんどくさい手紙を彼にあげたとき、もう暗くなっていたおかげで私の赤面をよく見られなかった。このままでいいけどさ。今考えると、恥ずかしくなる。彼の最後の言葉は「いい未来で会いましょう」、ノーベンバーズの「みんな急いでいる」を聞いた後に。運命ではないかもしれないけど、あのすべては心を打った。彼も、私の町の一人になった。彼は私を忘れたかなとか彼にとって私は何も意味しないかなとか彼に私が嫌いになったかなと思ったりしたが、今彼を考えると穏やかな心しかない。もうドキドキしている心臓がない、速い脈もない、溶岩のように流れる灼熱の血もない。ただ空を見つめるかのように安らかな笑顔をしている。

優しい町、あなたの脈を渡るには慣れなくてはいけないね。足がつれるまで歩いた、雨の日でも、晴れの日でも。友達とでも、一人でも。あなたは嬉しそうに歩く私を見た、悲しそうに歩く私を見た。時間が経ちすぎたと分かっているが、大学に行く私を覚えている?記憶の中に遥かにいるはずだね。毎日、教室に入る前に、港のそばに同級生と会えた。今頃なんて考えられないことになってきたね。恋しいよ、あの日々。のんきな日々。もう戻れない日々。最大限に生きなかったことを後悔する日々。

同級生のみんな、思うように会えなかったが、心の一部になった。授業の前に吸った煙草や飲んだコーヒー、食堂での浅い喋りと深い話、この全てが恋しい。残念ながら一緒に過ごした時間は短いが、おしまいの後もこの繋がりは消えない。まだ終わっていないから、今回は最後まで歌おう、最後まで踊ろう。朝が来るまで一緒に笑って歩こう。すべてが終わったらもっと声を出そう。どれだけ会えないだろうかな。これから自分達の命はどうだろうかな。これが本当の手紙だったら、インクは涙で汚れて濡れているだろう。落下点に手を伸ばしてくれて、大空に向かって叫んでみてと言ってくれて、日に向かって走らせた。この弱い私を成長させてくれて、心からありがとう。幸いなことに私が泣きたいとき、いつも悩みを聞いてくれる人がいた。一人じゃないことに気付かせてくれた。
「素晴らしき家族を持ち、素晴らしき仲間を持った
最高の日々だった、生まれ変わったらまた逢おう」

愛しい町、ここでの生活をやめたいときもあったのに、あなたの秘密をずっと心に守っていく。今行きたくない、ずっとここにいたい、この風にあやされていたい。誰にでもあなたのことを語る。誰にでもあなたの魔法を教える。泣いた私を見たあなた、恋した私を見たあなたの水、願い事を漏れ聞いたあなたの空、この町の私。この町は、誰よりも笑顔した私を見た。戻る日が必ず来る。私にずっと広い世界を見つめさせるために目を覚ましてくれてありがとう。このゆりかごを離れる時間になった。
さらば、愛と希望の町。

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