言えないよ
【登場人物】A:ヒロミ B:ウミカ C:サクラ
親友の相談
ウミカが相談してきたのは
ヒロミくんのことだった。
相談を受けるまでもなく
ウミカがヒロミくんを好きなことは明らかで。
相談というのは、
ヒロミくんの好きな人が誰か知っているか?
と、いうもの。
困ったなぁ……。
確信はないけれど、ヒロミくんが好きなのは
わたしだろうと感じることがあるんだもの。
「お願い、サクラ。
どんな子がタイプかだけでもいいから
聞いてくれない?」
「わたしが? 嫌よ。
うーん、じゃあさ、3人でお茶でもしないか
誘ってみるから、ウミカがヒロミくんと
ちゃんと向き合おう。」
親友の熱い視線
「ごめん、お待たせ!」
爽やかな笑顔でカフェにやってきたヒロミくん。
自分で言うのもおかしいけれど
好きな人にお茶に誘われたら
そりゃ笑顔も弾けちゃうよね。
こういうところ。
わたしがヒロミくんの好きな人だと思うわけ。
ちらっとウミカを見てみると
ヒロミくんに釘付けでニコニコしている。
良かった、気づいていなそうね。
「急に呼び出しちゃってごめんね。
ヒロミくんの好きなタイプ聞きたいって
ウミカが言うから。」
「えっ!?」
「ちょっと! サクラ!」
「あはは、好きな音楽アーティストね!」
「もう、意地悪なんだから」
ヒロミくんは歌が上手で大学でも人気者。
将来は歌手になりないなんて噂もある。
そんな彼にお近づきになりたい女子は
ウミカだけではない。
変に思われない話題としてはアリでしょう?
好きな音楽に対するヒロミくんの話は
ウミカの心をますます掴んだ様子だった。
会話が弾んだ勢いでウミカが踏み込んだ。
「冗談じゃなく、ヒロミくんって
どんなタイプの子が好きなの?」
いやぁ……と、頭をくしゃくしゃするヒロミくん。
「明るくて元気で……って普通だよ。」
「積極的にアプローチするの?」
「いや、音楽弁慶ってやつ。
音楽には乗せられるけど、面と向かっては
奥手だよ。」
音楽弁慶ってそう言うこと?
その夜、ヒロミくんからLINEがきた。
『今日はありがとう。楽しかった。』
『わたしもー。ウミカも楽しかったと思う!』
既読になったが返事はこない。
一往復でおしまいなんて案外あっさりしてるな。
そう思っていた30分後。
スマホがピコピコ音を立て始めた。
『ウミカちゃん、ボクに好意ある感じなんだね?
自分で言うのも変なんだけどさ。
音楽活動してるとちょっと分かるんだ。』
『新曲PV作ったんだ。
サクラちゃんに聴いてもらいたくて。』
『再生して最後まで見て欲しい。』
わたしはウミカに言えないよ
こんなLINEがきたなんて
山根あきらさん、楽しい企画をありがとうございます*ଘ(੭*ˊᵕˋ)੭* ੈ✩‧₊˚
この類はオマージュって言うんでしょうか☺️
また新たな挑戦ができました🎵
ありがとうございます‼️