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子供のためのオルセー美術館(88)雲、雲、雲/スイスの青い山・ホドラー

どこかでくも

パリを出発しゅっぱつ、スイスへかう列車れっしゃまどから、ぽっぽっぽっとかんでいるくもがありました。こんなくも、どこかでたことがあるかも。


パリのデパートの、こんなかんじ?てるけど。


ああ、これこれ! 
こんなくもでした。


スイスの画家がかホドラーは、アルプスのやまポワントダンディをきました。ホドラーのやません本物ほんものそっくり、どこの山かわかるくらい正確せいかくです。

そして、くもは?

水色みずいろそらくもは、金色きんいろになってうねうねと、あおやまをもっとくっきりあおにしました。
ふわふわクリームの行列ぎょうれつみたいなくももちゃんとならんでいます。


くらくてあおの山のてっぺんは、したへいくとだんだんうすく、山のふもとは最後さいごには、あおのてんてんになりました。


灰色はいいろ岩肌いわはだは、でこぼこ、ごつごつしてるけど、

ほんのすこし見える黄緑きみどりたにやわらかくて、ずっとこっちまでつづいているのです。


Ferdinand Hodler
La pointe d'Andey, vallée de l'Arve (Haute-Savoie) dit anciennement La Schynige Platte (Suisse, Alpes bernoises) 1909
フェルディナント・ホドラー
ラ・ポワント・ダンデイ、アルヴ渓谷(オート=サヴォワ)1909

1909年に描かれ、1912年にミュンヘンで『風景』というタイトルで展示されたスイス人画家ホドラーのこの作品は、山の峰が非常に正確に表現されているため、正確な場所を特定することができる。それ以外の絵画面は非常に構築的な絵画として扱われている。逸話や動物や人間の存在が入り込む余地はない。
山頂に向かって3層の雲が立ち上っている。それらは高度への上昇を暗示しているが同時に形の遊びでもある。下の2層の雲は水平な地面と平行で、上の層は山のカーブに沿っている。ブルーのグラデーションが、青白い裾野と暗いアルプスの山頂との間に明白なつながりを作り出している。谷は優しい緑で、空は淡いスカイブルーで彩られている。その装飾的なアプローチにおいて、この絵は日本の版画を思わせる。
画家フェルディナント・ホドラーは、19世紀初頭のドイツ、オーストリア、スイスの絵画芸術の復活を特徴づけた象徴主義的作品で知られている。

musée d’orsay 

お読みいただきありがとうございました。
ホドラーはスイスのアルプスの山々を想像力豊かに描いています。一度見たら忘れられないこんな雲☁️☁️☁️
ホドラーの初期の作品はコローやクールベの影響、後期の作品では印象派に特徴的な色調を取り入れて、神話のお話に出てくるような雰囲気のあるホドラーならではの絵を描きます。

さて、デパートの雲、可愛いですよね。エッフェル塔のバージョンもあります。(パリのボンマルシェで展示中)

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