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子供のためのルーブル美術館(45)動物がいる果物屋/20歳のモワヨン、知ってた?最強の女性静物画家


このブドウのおいしそうなこと!
ったらちゃんとおもさがつたわってきそうです。

まるで本物ほんものそっくり、きと果物くだものいたルイーズ・モワヨンは、まだ20歳はたちになったばかりの女性でした。
モワヨンは、フランスではじめて、果物くだもの野菜やさい静物画せいぶつがひと一緒いっしょいたチャレンジャーでした。

これ、じゅくしているかしら?
マルシェに買物かいものた女の人は、かごからあふれそうなたくさんのももったり子にいています。

いいこうと野心やしんのあるわかいモワヨン。
くろかげくらふちどりをいて、からえるだまし技術ぎじゅつ使つかいました。


薄暗うすぐら部屋へやなかで、あたたかいいろつめたい色がざりあう果物くだものは、有名ゆうめいなオランダ•フランドル絵画かいがのようです。

あ、あそこ、大きなカボチャのうしろにねこが!


ねこはおとなしくカボチャとならんでこっちをています。
あのねこ、モワヨンのおに入りのねこちゃん? くろ三角模様さんかくもようかおねこは、このをバランスく見せているんですって。


今度こんど美術館びじゅつかんに行ったら、こんなまえとおりすぎないで!
20歳はたちわか女性画家じょせいがかいたは400年前ねんまえからひっそりと、いまみなさんをっていますから。

Louise MOILLON
La Marchande de fruits et de légumes 1630
ルイーズ・モワヨン
果物と野菜売り 1630

今日では一般にはほとんど知られていないが、ルイーズ・モワヨン(1610~1696)は17世紀フランスで最も有名な静物画家の一人である。
これは、ピーテル・アールツェンやヨアヒム・ボイケラーに遡る北欧の伝統的な市場や商店の情景の中で、静物画が人物を共に描いて風俗画となったルイーズ・モワヨンの数少ない大型作品のひとつである。
「無言の生命が織り成す見事な作品」(Foucart-Walter, 2007)
構図はぎこちなく登場人物は堅苦しくオブジェは並置されているが、それにもかかわらずこの作品は味わいと魅力に満ちている。若い女性の芸術的野心を物語っている。
この絵は1973年にアンリ・リナールによって修復された。1989年にイヴ・ルパヴェックによってワックス樹脂で再固定され、その後ジュヌヴィエーヴ・ルパヴェックによって絵画層が修復された。

musée du louvre 

お読みいただきありがとうございました。
フランス風俗画の第一歩をきざんだ画家のひとりが、20歳の若い女性だったとは驚きました。
モワヨン・ルイーズはジャック・リナールという画家とともに、人物と静物を組み合わせて描いたフランスで最初の静物画家でした。結婚するまでの10年間だけ絵を描いたそうで当時も育児が大変だったらしいです。まさか自分の絵がルーブル美術館に今日まで残るとは思ってもみなかったでしょう。
古い絵画は人気が今ひとつですが、名も知らぬ画家たちの描く調度品、籠、野菜の皮が何気なく置いてあったり、登場する動物の役割りを見つけるのもおもしろいかもしれません。

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