子供のためのルーブル美術館(23)ニコラ・プッサン・逃げるペストを絵に描く
今から680年前ペストという伝染病がヨーロッパを襲い、このペストの大流行で、ヨーロッパの人口の4分の1の人が亡くなってしまいました
その病気がおさまるまで、なんと24年間もかかりました。
イタリア、ローマで画家プッサンは、この病気がついに終わる時の絵を描きました。
雲に乗って現れた神様
神様が持っている弓矢は、ギリシア神話のお話の中では伝染病のペストをうつす矢、と言われた矢でしたが
プッサンの絵では、次々と折られています。
そして
この絵には、病気であるペストが、まるで人間のように描かれています。
どこにいるでしょう。
ヘビのような毛がはえているペストは 死んでしまった子供を肩にかつぎ、犠牲者を引きずって逃げていく恐ろしい姿で描かれています。
黄色い洋服の天使がペストを追いはらっています。
私たちも、コロナウイルスの影響を世界全体で経験しましたが、大昔のこの時代にもこんな伝染病がはやった時代があったのです。
Poussin, Nicolas
La Vision de sainte Françoise Romaine
1657 / 1658 (XVIIe siècle)
ニコラ・プッサン
『聖フランチェスカ・ロマーナ』
お読みいただきありがとうございました。
プッサンの作品が並ぶルーブル美術館のこの部屋は鑑賞する人もそう多くはないですが、子供達が足を止めてその絵をじっと見入るような、一瞬にしてその緊迫したお話の中にはいりこむような興味を引く作品が多くあります。
また改めてご紹介します。
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