舞台チャーリーとチョコレート工場、日本初演を目撃してしまった(ネタバレ極力無)
ご縁があって、チャーリーとチョコレート工場、通称チャリチョコの舞台初演@帝国劇場
に行かせていただきました。
🍫
かつてエンターテイメントの仕事をしていたので、「初演」の特別さはよく知っているつもりです。
長い長い、地味なリハーサル期間を経て、
初めてお客さんの反応を見られる喜び!
やっと届いた!でもこれがスタートだ、という、まだ粗削りで透明な、でも確かな達成感。
こういったキャストの皆さんのまさに生身の感情が、劇場内に充満していた約3時間でした。
これから見られる方も多いと思うので、
ここぞ!という部分のネタバレはないように注意しつつ笑、3つだけ、見どころを語ってみます。
1. 映画から舞台への再構成部分が秀逸
原作が小説の映画を題材に作られた舞台ですが、
基本は映画の世界観が踏襲されています。
今回舞台にするにあたって、映画から変更された設定や演出がありましたが、
「なぜこうなった??」と感じる部分がひとつもありませんでした。
個人的には、かなり稀なことだと感じています。
例えば、チャーリーのお父さんは亡くなっているという設定に変更されていましたが、
この設定変更が、演出に非常〜に効いているのです!
亡くなっているからこそできる舞台、なのです。
他にも、ゴールデンチケットを手にした子供たちをはじめとした、各キャラの風貌や特徴が若干変わっていたりしましたが、
それも、舞台でこう演出するためだったのか〜。と納得できるものでした。
個人的には、大金持ちの「ベルーカ」、なんでも一番が大好きな「ヴァイオレット」のスタイリングが好きでしたね。
また、チャリチョコといえば、目に飛び込んでくる鮮やかな原色が印象的でもありますが、
舞台では衣装や大道具含めて映画に増して「色彩」が意識されており、
それぞれのキャラクターを象徴する「色」が被らないようになっていることも素晴らしい!
特に衣装は、今まで見たどの舞台よりも丁寧に、かつ個性的に作られていたと思いました。
気になる方は公式Instagramをチェックされてくださいね。
(プレッツェルの髪飾りにベーコン柄のお洋服、かわいかった〜!!!)
ちなみに、二幕では、
舞台ならではの「視覚」「聴覚」以外の五感を揺さぶる演出も!
なんとなーく予想してはいたけれど、実際体験してみると感動します。笑
マスクで観劇される方は、どうか機を逃されませんように!
2. 洗練された振り付けと、類を見ないアンサンブルの存在感
ミュージカルにおいて、ダンスや歌はとても大切な要素ですよね。
舞台版チャリチョコは、映画以上に子供向けのメッセージングが強くなっており、
セリフやお芝居も大変オーバー!!でわかりやすい!
逆に、登場人物の複雑な心境や、
前の方で見てみないとわからないような微妙な表情の変化は、多くはなかったように思います。
(だから、どこのお席で見ても同じように楽しいはず!)
そんな舞台なので、「キャストの演技」も勿論、素晴らしいものでしたが、
それ以上に!!!
出演者全員で表現する世界観や「ステージング」が素晴らしいのがこの作品の特徴でした。
中でも特にダンスについて、ちょっとだけ語らせてください!!!
振付は、
・フロアを多く駆使し、「全身表現」を極限まで追究するjazzダンサー、松田尚子さん
・日本が世界に誇るレジェンドストリートダンサー、YOSHIEさん
この2名。
ダンス界では大変信頼と実績のあるお二方が全編振付とは、、、それだけでも贅沢すぎます。
全体の中で、感傷的なシーンもあれば、
はちゃめちゃに盛り上がるダンサブルなシーン、
はたまた、堂本光一さん演じるウィリー・ウォンカの妖艶さに痺れるシーンがあったりします。
どのシーンを、どちらのダンサーが振付しているのか、
想像しながら観るのも通な楽しみ方です。
そして、その振付を受け継ぐのは、熾烈なオーディションで選ばれたアンサンブルの皆さん。
一幕のほぼ冒頭から、彼らの出てくる回数の多いこと多いこと!!!
ものすごい回数お着替えになられて笑、
全く違うテイストのダンスを踊りこなすなんて、、、(しかも歌いながら!)
特に、チャリチョコのストーリーに不可欠な、
人間離れした「あの」キャラを演じる大変さといったら、、、
想像するだけで泣けてきます。
ということで、今回のアンサンブルの皆さん、おそらく一味違います。
キャスト目的で観に行かれる方も、是非注目してみてください。
3. 主演の、堂本光一さんの醸し出す世界観にひれ伏す
堂本光一さんは、帝国劇場で主演舞台を何年も続けている大ベテランという認識はあったものの、今回初見でした。
入場してから、青い封筒に入ったチケットを取り出す方の多いこと多いこと。
おそらく、堂本光一さんのファンクラブ会員の皆様でしょう。
幕が開いてびっくり。
!!!!!世の中に、こんなにセンターが似合う方はいるでしょうか!!!!!
誰も寄せ付けない、圧倒的なオーラと存在感がありながら、観客を置いてけぼりにせずに、夢の世界へ連れて行ってくれる。
まさに、チョコレート工場のオーナーであり案内人、ウィリー・ウォンカにぴったりでした。
今回象徴的だったのは、舞台上でトラブルがあった時のことです。
初演だったこともあり、終盤に舞台上のテクニカルな不具合があったのですが、、、
そんな時も光一さんは、機転の利いた一言で、会場の緊張感を笑いに変えてしまいました。
堂本光一さんがそこにいるだけで、舞台が引き締まり、かつ安心感がもたらされる。
ただでさえカリスマ性があるにもかかわらず、
その才能に慢心せず、とんでもない場数を踏まれてきたのだな、と容易に想像がつきました。
いやあー。日本の宝ですね。
生きているうちに、
ウィリー・ウォンカ featuring. 堂本光一
を、お目にかかれてよかった。
畏れ入ります。
チャリチョコでしか味わえない光一さんの魅力を、是非感じていただきたいです!
、、、ちなみに、終わる頃には、私はもう完全にときめいちゃってました。笑
ガチ恋というよりは、ひれ伏す系の。笑
🍫
だいぶコアな観点もあったと思いますが、これから行かれる方、あるいは、今回は行くことができなかった方に、
少しでも「チャリチョコ初演」の魅力をお裾分けできていたら、本望です。
追伸
帝国劇場での観劇は初めてでしたが、
ちょっと第六感のある私、足を会場に踏み入れた瞬間に独特の重みを感じてしまいました。
あの劇場にはとんでもない力が宿っていますね。
「空気に重みがあるとよく言われます」と紹介されて入った内閣庁舎よりも、
圧倒的に、重かったです。笑
〜ここまでお読みいただきありがとうございました!〜
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