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ここはファンタズムかアフマ大陸か

井の頭公園アドベントカレンダー2024の2日目の記事です。
例によってMisskeyからの転載です。

イタリアワインと食材 阿部

リアル井の頭公園駅前のワインバー、「イタリアワインと食材 阿部」です。

VRChatではここにあります
お店入口

井の頭公園駅前にある、イタリアワインの名店。
VRChatのワールドではマテリアルエラーの様な看板しかないが、中に入ると、実に奥深い世界が広がっているのである。
オーナーソムリエの阿部誠治氏はイタリアワインの幅広い知識を持ち、数回通えば好みを覚えてくれるような、確かな腕がある。
そして。多様性に満ちあふれたイタリアワインという「沼」を楽しめてしまう人でもある。
……さあ、入ってみるか。

画像中の言葉

一歩足を踏み入れると、そこはまさにファンタズムやアフマ大陸にも似たカオスの世界。訓練されたぶいちゃ民なら間違いなくポルナレフになれるでしょう。そしてジョジョ好きらしく、店内のあちこちには至る所にジョジョ要素が……。

店内の様子
ポルナレフ状態

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
おれは井の頭公園駅にいたと思ったらいつのまにかファンタズムかアフマ大陸かにいた…
な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
視界ジャックだとか隠しポータルだとかそんなチャチなもんじゃあ
断じてねえ…
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

ポルナレフのパロディ
ご丁寧に石仮面まであるが、「黄金体験」ができる場所だ
オデーサにあったはずの「いいもの」も……

そして、抱腹絶倒必至のポップ。あの「いいもの」も。

料理とお酒

モンヴィエールのトラミネールアロマティコ、フリウリのゲヴェルツトラミネール

モンヴィエールのトラミネールアロマティコ。
イタリア・フリウリ州のゲヴェルツトラミネール。
このゲヴェルットラミネール、世界で一番香りの強いブドウなのだけど、瓶を開けた時に漂う香りが実に至福だった。繊細な日本料理には合わないかもしれないが、主張の強い料理なら肉料理でも合いそうである。
なお、このゲヴェルツトラミネール、アルザスが有名なのだけど。先日のVRC世界旅行フランス編でも話題に上がっていたような気がする。

上の画像に書かれていること
クミン入りザワークラウト

阿部名物、クミンの入ったザワークラウト。
クミンが入ることにより。ザワークラウトにさわやかさが増す。
そして天然の酸っぱさが、実にワインによく合う!
これはよき酒の友なり。
なおオーナーソムリエの阿部誠治さん。もともとはシェフ志望で訳あってソムリエの道に進んだのだが、こうして料理もちゃんと作ってくれる。そこが驚きである。

なお、ソムリエは「既にできあがっている素材」を如何に活かすかの勝負だと思っていて、そういう点でもVRChatの有名なカオスワールド、ファンタズムの世界観と共通していると思う。
料理人は一から作れるが、ソムリエは既にあるものの価値を認めつつ、そこに新しい価値を吹き込むのが役目だと思う。それは、ポン置きでワールドを作ることにも共通している。
それを考えると、みんなが投稿した有象無象を一つにまとめたファンタズムもすごいのである。

上の画像に書かれている言葉
カザルヴェントのキャンティ・クラッシコ、2020年

カザルヴェントのキャンティ・クラッシコ、2020年。
品種はサンジョヴェーゼ。
どっしりとした。深みのある1杯。
これを選んだのは、次のおつまみのためである。
あまりにも面白いおつまみには、それに合うヤツが。
今回は私の勘で選んでみたが、これは果たして……吉と出るか、凶と出るか。
さあ。おつまみが来るのが待ち遠しい……。

上の画像の内容
ブレザオラ

そう、待ちに待ったおつまみは、コイツである。
ブレザオラというイタリアの生ハム、しかも珍しいことに馬肉である。
日本の馬肉とは違う、油の全くない。赤身肉。旨味が。すごいのである。
そして、ほのかな酸味も感じる。これは、酒が進む。
オーナーの阿部さんの話では、馬肉を食べる文化、戦争の多いところに多いのではど。
確かに日本もモンゴルもイタリアもフランスも、戦争が多かった。
だけど、調べてみたところウクライナやロシアには馬を食べる習慣がないのが不思議である。
その割にはポーランドでは食べられている。不思議だ。

ペペロンチーニ

細麺のペペロンチーノ。かけられているのは七味。それ故に、唐辛子とは違った香りも感じる。特に、山椒の香りだ。
アーリオ・オイリオ・ペペロンチーノはシンプルである。蕎麦で言えば、もりそばだ。料理人の腕が、問われるのだ。
これが。実にうまい。唐辛子「だけ」である必要は。ない。この発想の自由さが。阿部さんの強みである。
シンプルであることの難しさ。そして楽しさを教えてくれる一皿。
そして、意外とできそうであるが、できるだろうか。

上の画像より
最後の一杯、プリンチピプルチアエブルニェーラのヴェルドウッツォアマービレ

プリンチピプルチアエブルニェーラのヴェルドウッツォアマービレ。ヴェルドゥッツオは貴腐ワインなどに使われるプドウなのだけど、これはその基準に至っていないものを使った「中甘口」なワイン。地元住民が地元で飲むワインだ。
ちょっと蜂蜜みたいな香りと。程よい甘さ。「中甘口」という表記を疑うほどに十分甘い。だけど。貴腐ワインの様に、濃すぎない。これは〆の一杯に、最適だ。
この世界でははっきりしているのがうけるのだが。こういうものはなかなか入ってこないそう……。
キャラのはっきりしている商品は好まれる。それはどこも同じなのだけど。
何故か東アジアの人。「中途半端」がわかって、そしてそこに価値を見いだせるのだ。そこが、不思議でならない。
そして、これを見つけてくる阿部さんもまた。素敵だ。

上の画像

ですが、三度は行けば完全に好みを覚えられるというレコメンド能力の高さ、そして元シェフ志望で料理もおいしいという反則。もちろん毎年のイタリア視察で現地のトレンドに肌で触れることは忘れないという……。

で、たまにイタリアの生産者がふらっと訪れてきたり、お高いワインにペヤングを合わせるという遊びもできてしまう面白さ。

これこそが、強み!

その他にも気になるものたち

宮嶋勲『最後はなぜかうまくいくイタリア人』

最近のイチ推しの本である。
まあ、この本に載っているような生き方をすると、日本人の半数はまあ怒るだろう。だけど、彼らの生き方に見習うこともまた必要だと思う。
日本人、細かいことを気にしすぎである。そして、ちょっとしたことに、腹を立てる。
その怒りが、他の人の超りを呼び、もうどうにも止まらなくなる。
そして、後に残るは焼け野原。そうならないためには、ゆるく生きることを心がけてよいのだ。

この言葉を、忘れないでほしい。

人生は長い、疲れたら休め
脇道を行くのも又良し
エリナとプリン

脇道を行く勇気を。そして、ゆるく生きよう。
たまには、不真面目でいいのよ。

上の画像より
カー・ファイア! 訳して、火の車!

カー・ファイア。なるほど、「火の車」か!!
これは、一本られた。座布団、百枚。
これに気がついた時、笑いか止まらなかった。そう。「火の車」をこうもパロれるとは! !
なお。12月3日から11日、イタリアに視察に行くらしい。
イタリアに肌で触れ、現地のトレンドをちゃんと抑えてくる。
そして、気がつくとイタリアの生産者がふらっとやってきたりする。
本当に懐の広いお店だ。行くと、何か発見がある。知的好奇心を刺激される。
おそらくだけど、ここにこそ、魂の「豊かさ」があるんじやないかと思う。
それは、多分メタバースも同じだ。最近のメタバースには、「遊び」が足りなくなった。
「遊び」を忘れないことこそ「豊かさ」だと思う。だから、もっと「遊ぼう」ぜ!!

というか、VRChat、「ゲーム」だよな……。
それこそ。これである。
「こんな げーむに まじに なっちゃって どうするの」
そう、「ゲーム」なのだ。だから。遊ぼう!

上の画像より

参考記事:阿部誠治さん(イタリアワインと食材 阿部)に聞く!
「イタリアワインの魅力・楽しみをどう伝えるか?」

そう、参考に挙げた記事でも述べられていますが、「遊ぶ」ことができるのです。それは、ぶいちゃにも共通する精神だと思っています。そして、それこそが「豊かな文化」を生み出す土壌になっているのだと思います。そういえば、VRChatも「ゲーム」……。

まさに、この言葉を思い出します。
「こんな げーむに まじに なっちゃって どうするの」

イタリアワインという荒野に乗り出すには、凄腕の船長が必要なのです。
だからこそ、みんなで、「遊び」ませんか?
ここには、「遊び」があります!

お店情報


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