優先する求人
通常、求人数でいくと70くらいは常に頂いておりますが、全ての求人を網羅して取り組むことは不可能です。この仕事を始めた時には、あれもこれも全力で取り組んだ時期もありますが、サイトのスカウト数に制限があったり、求人の把握をしていない求人を紹介することで上手くいかなかったりもするので、自分の中でピラミッドのように優劣をつけています。
例えば70件扱っている時に、内訳は以下の通りです
A 絶対に決めてやるとして全力で取り組む求人 6件
B それなりに一生懸命取り組む求人 8件
C 良い人がいれば声をかける程度 24件
D 求人を貰った時だけ集中サーチして終了 20件
E 未着手(求人だけ記憶しておく) 10件
若干2:8にしようとして強引な数値になっていますが、大体こんなものです。当然ながら決定するのはAとBで80%どころか、90後半に近いです。AとBの比較でも7:3くらいでAが多いです。もちろんEのまま放置していたのに、人材をたまたま見つけて声をかけたら、とんとん拍子で成約したケースもありますし、求人を貰った段階ではDのつもりでも候補者からの反応が良いためAに昇格させるケースも頻繁にあります。Cとなれば求人掲載と保存した検索条件に新着が来たらというレベルですので、あまり積極的ではありませんので、紹介に至るケースは稀です。月に1件あれば御の字でしょう。もちろんAのすべてが決まるわけではありませんが、Aの取り組みになれば最低でも複数名は紹介に至っています。毎日、それなりの時間をかけ、手間暇かけているのだから当然です。
企業側としては、エージェントにAの扱いにしてもらうことが、採用への近道であることは間違いありません。
私の場合、AからCを常に入れ替えており、AからEに落とすケースも頻繁です。
Aの求人とは以下の4つのどれかに当てはまります。
1.求人内容や採用の条件をほぼ把握している
特に書類選考や面接で、細かいフィードバックを貰え、かつ転職市場に人材が存在するような無理のない話であれば、一番近い話になります。実はここから成約に結びつくケースが最も多いです。一方でNG理由が不明確なままだったり、転職市場に存在しないような無理難題な話だったり、NG理由がコロコロ変わる場合はCやEに落とす場合があります。
企業や求人内容について、時間割いて細かく説明して頂くのが絶対条件ですが、その求めている人材からの反応があまり良くない求人はCやD止まりになるケースがあります。例えばSE系や経理や経営企画といった汎用性が高く、かつ引く手あまたなポジションは、AやBにしにくいです。
むしろ、特殊な能力が必要で、ニッチでそんなに人材はいないかもしれないけど、年収が高く、要件が明確なポジションで、社風も悪くない企業であればAにしやすいです。
2.当社独占、ないし寡占で競合があまりいない求人
例えば企業の求人説明会に50社も参加していて、かつ当社のターゲットではない30代以下のスタッフ職であれば、それだけでC以下は確定します。
でも取引人材会社があまりない企業や、特別に連絡を頂いた求人については、義務感もありますので、多少難しいポジションでもAとして優先します。
3.自分の得意分野で、決めることのできる自信がある求人
自分の過去の職業に近い業界や職種はイメージがつきやすいので、優先的にはなります。
4.強く推したとき、もしくはクセがわかっており、最低書類は通せる自信がある企業の求人
過去入社実績があるか、多少は要件に満たなくても信頼関係で、面接くらいはしてくれるであろう相手の求人は優先します。書類で容赦なくバサバサ切り捨ててくる企業よりも優先度は増します。
結局は決めやすいかどうかで優先度が変わるということが明らかですが、1や4に象徴されるように、より深く要件を理解させること、そして間口を若干は広げるなど、企業側のやり方一つでエージェントの優先順位を上げさせることができると思いますし、取引先を絞るのではなく、エージェントの特性を理解して、得意な求人を数を絞って依頼する(その旨を理解させる)などの工夫がいるのではないかと思います。