イタリア滞在記[2]_53【近い将来の話と自転車の町フェッラーラ】(2022.9.28)
今日は電動自転車で、”自転車の町” という二つ名を持つフェッラーラ(エミリア・ロマーニャ州フェッラーラ県)を回る。
自宅からフェッラーラの中心街までは車で一時間半ほど。電動とはいえそんな距離を自転車で走る体力や根性が、僕と、親友で同居人のアンドレアにあるはずもなく、まずは家からフェッラーラまで車で行き、中心街そばの駐車場に車を停め、そこから電動自転車に乗り換えて街を回ることにした。
そんなわけで、車に乗り込み、自宅を出て15分ほど経った頃。僕は普段、車が走り出して10分も経たないうちに助手席で眠ってしまうのだが、今日はなぜか起きていられたので、いい機会だから今後のことについて話し合おうと、僕から口火を切った。
「あのさ、次にイタリアに来るときのことなんだけど、あの手を使って6か月間滞在することにしようって、この前話しただろ。やっぱり僕、大学は...」
「そのことはもう気にするな。いい選択肢だったとは思うけど、無理する必要はないよ。2年後には長期滞在ビザが取れる予定なんだし、それまでは今まで通り行ったり来たりすればいいだけの話だ。君、飛行機好きだろ」
「うん...」
「次の滞在は来年の5月から10月だったよね」
「...そのつもりだったんだけど、それだと僕、こっちで何もできないじゃん?この前落とした試験の再受験とか」
「作文の点数が1点足りなくて不合格になったあれな」
「...言い方」
「俺の言うことを聞かないからあぁいうことになるんだよ。でも、今まで試験の話なんて全く出さなかったのに...それどころか、もう二度とイタリア語なんか勉強しないとまで言ってたのに...そんなことを言い出すってことは、少しは反省したってこと?」
「誰が反省なんかするか。言っておくけど、あんな試験、自宅で受ければ持ち時間半分残して余裕で合格できるんだよ!お前に勉強しろって言われて、それを無視したから落としたわけじゃない!あんな狭い教室に知らないやつらと一緒に5時間も閉じ込められて、満足に息もできない状況下で受験したら実力の半分も出せなくて当然だろ!」
「...それでも、俺が言った通り冠詞を勉強してたら受かってたんじゃない?」
「...次はちゃんと勉強する」
「...だといいけど。で?試験を受けるとすると、次の滞在期間はどうなるの?」
「4月下旬から7月下旬とか、5月中旬から8月中旬とか...かな。6か月間お前と一緒に過ごせたら嬉しいけど、でも、そのあいだ何もせずに遊んで暮らすより、期間は3か月になっちゃうけど、後々の事を考えると、将来役立ちそうなものをできるだけ手に入れておいた方がいいと思って... 2往復することになるから、お前には迷惑かけちゃうけど...交通費のこととか...」
「それは気にするなっていつも言ってるだろ。二人で生活してるんだから、君の金でもあるんだ。君の金を君が使って何が悪いんだよ。それに、俺も君の考えに賛成だし、時期的にもすごくいいと思う。次の滞在期間がそんな感じだと、同じ年の12月にまた戻ってこられるだろ。ということはクリスマスを一緒に過ごせる」
この話の後、僕はいつも通り助手席で眠ってしまい、目が覚めた時には、フェッラーラ中心街近くの駐車場に着いていた。
中心街の一番大きな広場とその周辺を回り、本屋で立ち読みをしているうちに昼飯時になったので、同じく中心街にあるこちらのレストラン↓へ入った。
17時以降に雨の予報が出ていたので、15時半ごろ車に戻り、17時ちょうどに帰宅。それから夕食後に雨が降り始めて、現在20時。夜食にする予定だったチョコレートケーキはもうない。