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【イタリア日記⑦】2024年11月(1~10日)


1日(金) 諸聖人の日

ラップトップにサソリのステッカーを貼りました。

かっこいい


それはともかく、夕方、アンと地元の広場へ。

ハロウィンは終わりましたが、諸聖人の日にかこつけて、この日もイベントが行われていました。それなりに賑わっていて、顔にモザイクをかけるのが面倒なので、水彩画風の加工を施した写真を載せることにします。
本日の前菜。このあとミサがあるので、食べ過ぎないように気をつけます。


食後、ミサの開始時間より少し遅れて広場の教会へ。

食べ過ぎないように気をつけたのに、やっぱり眠くなりました。

しかし、ミサの最中、眠気を吹き飛ばす出来事が。なんと、聖歌を歌う神父のうちの一人が、すげぇ音痴だったのです!
僕は思わず吹いてしまい、アンに後頭部をひっぱたかれました。

ミサが終わり、教会を出ると、アンが言います。
「教会で行われることは全て尊重して、感謝しないといけない。(…中略…) 無料タダなんだから!」


その後、中心街を散策していると、なんと、年に数回しか開かない教会(Chiesaキエーザ diディ Santaサンタ Mariaマリーア dellaデッラ Visitazioneヴィジタツィオーネ*)が開いていました!

*GoogleマップやWikipediaの見出しはこの名称になっていますが、地元では "Chiesaキエーザ delデル Suffragioスッフラージョ" と呼ばれることが多いです。

ファサードはこんな感じですが…
内部は円形をしています。
圧巻のクーポラ
禁断の祭壇
十字架と… 酒と水…?
隠し部屋(?)
教会は、僕たちが出た直後、閉まってしまいました。


2日(土)
秋ともしフードスタンド徹夜チェス 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


2日(土) 死者の日

夕方、例によってアンと広場のイベントへ。この日はルイージとアドリアーノを誘って、4人で行きました。

arrosticiniアッロスティチーニが焼き上がるのを待つ。

「煙が広場中に広がってすげぇな!」と、僕が言うと、ルイージとアドリアーノがくすくすと笑い出します。不思議に思っていると、アンドレアが、
「ローリス、あれは霧だよ」と教えてくれました。

煙じゃなくて霧だった。
アッロスティチーニを食べているうちに霧はどんどん濃くなり、Aurelioアウレーリオ Saffiサッフィの背景が消えた。
人間の顔が霞んで見える。天然のモザイクだ!

イベント三日目は、前日までにも食べたアッロスティチーニとフライドポテトに加え...

Porchettaポルケッタのパニーノと…
ヌテッラのクレープを食いました。

どちらも、とても美味しかったです。


この日の短歌


3日(日)
文化の日イタリアこっちはただの日曜日 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


3日(日) 秋のイベント最終日

昼飯にオレッキエッテ(ドライトマトとアーモンド入り)と、豚の脛肉を煮たやつと、ビートを炒めたやつを食べたら、食後、めちゃくちゃ気持悪くなりました。
アンに、「ビートに毒草が混ざってたんじゃね?」と言うと、やつは、
「混ざってないよ。君は最近食べ過ぎてるから、胃がおかしくなったんだ」と言い、僕に雑草茶カモミールティーを無理やり飲ませてきました。

カモミールに薬草が混ざっていたようで、その後回復し、チェゼーナのスタジアムへ。

顔にモザイクかけ忘れたけど、もうこのままでいいや。

今回は自宅で昼食をとったため、ホットドッグの大きさが原因でケンカすることもなく、無事、チェゼーナ‐南チロル(ボルツァーノ)戦を楽しむことができました。


さて、人によっては三連休だった週末最終日。地元の広場で催されているイベントも、この日で最後です。
「今日はダメだよ。昼間あんなに苦しんだのに、もう忘れたのか」と言うアンドレアを、「クレープだけだから! お前だって最後にカクテル飲みたいだろ?!」と説得し、スタジアムを出たその足...というか車で、地元の広場へ。

僕のクレープ。桑の実のジャム入り。
ついでに焼き栗も食べました。12個で5ユーロ。アンは「高い」と、ずっと文句を言っていました。でも、とても美味しかったです。


4日(月)
冬だって楽しいけれど秋惜しむ 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


4日(月) 忙しくても飯は食うから ~第1歌~

また新しい一週間が始まります。しかし、今週はアンの仕事や雑用が忙しくて、僕もそれを手伝わなければならず、遊びに行く予定が一切ありません。

まぁ、それはともかく...

この日の夕食:ミニトマト・松の実・バジルのキタッラ

Signor Pinolo: (Loris M.)

"tra ciliegino scarlatto e basilico,
è pazzesco, ma son rimasto in bilico...
eh, sì, sugli spaghetti alla chitarra!"
'na sua avventura, con calor la narra.


[日本語訳]
ピノーロ氏は、 (作/ローリス M.)

「炎のように赤いミニトマトとバジルの、
途方もないことだが、私はその境にいたのだ...
ええ、そう、キタッラの上で!」と、
彼のとある冒険を熱く語る。


[追記:11/6(水)]
Tricolore 🇮🇹 (Andrea M.)

 Bianco rosso e verde siam noi l'Italia
Il nostro sventolar la gente ammalia
Ma se proprio vogliam parlar di cibo
Se ci mangi aumenta la libido


[日本語訳]
三色旗 🇮🇹 (作/アンドレア M.)

白 赤 そして緑 我らイタリア
国旗のはためきが人々の心を奪う
そして まさに料理について語り
食べれば 性欲が掻き立てられる


5日(火)
霧すげぇ 体感温度 気温以下 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


5日(火) 忙しくても飯は食うから ~第2歌~

アンの仕事と雑用を手伝う合間に、日本へ持ち帰らない&持ち帰れない本を電子化しました。

まぁ、それはともかく...

この日の間食:ツナと卵のパニーニ

Fratelli Panini in tarda mattinata (Loris M.)

Abbiam color diverso, però tonno
e uovo per tutti anche un po' di sonno.
Ed i sesami nostri son carini.
Beh, alla fine siam stessi panini.


[日本語訳]
遅い午前のパニーニ兄弟 (作/ローリス M.)

色は異なるけれど、ツナと
卵は二人とも。それに、少しの眠気も。
あと、僕たちのゴマは可愛らしい。
まぁ、結局、同じパニーニなんだよ。


Gemelli diversi
 (Andrea M.)

Colori ce ne son tanti nel mondo
Ma importante è che la forma sia tondo !
Ed è vero che siam molto carini
Però io ho anche i cipollini


[日本語訳]
異なる双子 (作/アンドレア M.)

世界には様々な色があるけれど
重要なのは形が丸いこと!
そして そう 俺たちはとても可愛い
でも 俺はペコロスも持ってるよ


6日(水)
初フォード?どうなる秋の最終日 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


6日(水) 忙しくても飯は食うから ~第3歌~

アンが、アルファロメオ→ルノー→フォルクスワーゲン→フォードと、戦略的購入売却を繰り返し、わらしべ長者風味のノリで、ついに僕が欲しいと言った車を買ってくれました!

まぁ、それはともかく...

この日の間食:サラミとキノコ、オリーブとミニトマトのピザ

Anche con i morsi (Loris M.)

Ti amo tanto, la pizza con salame
vestita in cacio abbellito da fungo.
A mangiar senza far la foto, giungo.
Ma non altera mai il nostro legame.


[日本語訳]
食いかけでも (作/ローリス M.)

キノコで飾られたチーズを纏う
サラミのピザ、お前を愛してる。
写真を撮らずに食っちゃった。
でも、僕たちの関係が変わることはない。


[追記:11/10(日)]
Sarebbe il periodo degli aranci 🍊🍊
Poi c'è la fiera dei cibi di strada
Spesso finisce che mangi la piada 🌮
Ma io preferisco la pizza 🍕 🍕 in tranci
(Andrea M.)

[日本語訳]
オレンジの季節🍊🍊
そのあとにはストリートフードの見本市がある
大抵ピアーダ🌮を食べることになるけれど
でも 俺は切り分けたピザ🍕🍕の方が好きだ
(作/アンドレア M.)


7日(木)
立冬や空がクーガ瞼に浮かぶよう
天窓最高! 星を見に行くのが楽しみだ。早く届かないかなぁ... 来週末まで待ちきれない。
 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


7日(木) 忙しくても飯は食うから ~第4歌~

この日も忙しかったけれど、夕方、時間ができたので、アンと二人で中心街の書店へ行き、その帰りに外で食事をしました。

書店でアンは僕に一冊の本を買い、言いました。
「日本にも楽しいことがあるのはわかってるけど、俺がいなくて退屈したら読むんだよ」

まぁ、それはともかく...

この日の夕食:牛肉三種のタッリャータ

Non lo sapevo, ma… (Loris M.)

Scintillïi di squami, nuota un temolo.
Attraversando il vento vanno starne.
Anche pesce e uccello, cioè ogni carne
starà bene con salsa di prezzemolo.


[日本語訳]
知らなかったけれど... (作/ローリス M.)

鱗のきらめき、ヒメマスが泳ぐ。
風を切って、ヤマウズラたちが行く。
魚も鳥も、つまり、どんな肉も、
きっとイタリアンパセリのソースに合う。


[追記:11/10(日)]
Col suo profumo fa venir stimolo
Tutte le carni con lui stanno bene
È in tutte le salse e tutte le cene
Oggi è la gran festa del prezzemolo!
(Andrea M.)

[日本語訳]
その匂いが食欲を刺激する
あらゆる肉がそれに合う
全てのソースと全ての肉
今日は盛大なイタリアンパセリ祭り!
(作/アンドレア M.)

ソースは一種類だったけどな!


8日(金)
表紙絵がクリスマスでも寂しげで 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


8日(金) 忙しくても飯は食うから ~第5歌~

腹を壊しました。きっとパスタ5皿のあとに缶入りクッキーを全部食ったせいでしょう。

まぁ、それはともかく...

この日の食後茶:ブラックティー・マリーゴールド・バラの工芸茶

Proda calendula!
Come la coda di sirena ondula
nel mar del tè, sulla foglietta pendula.
                                              (Loris M.)

[日本語訳]
勇敢なマリーゴールドよ!
茶の海の中、垂れ下がる葉の上で
人魚の尾びれのように揺蕩う。
                          (作/ローリス M.)


Ohhh che bel fiore 🌸
Come un gran lampo produce un bagliore
Bevo tè cinese... Ma quale onore!
(Andrea M.)

[日本語訳]
おお なんと美しい花 🌸
雄大な稲妻の如く閃光を生む
中国茶を飲む... なんという光栄だろうか!
(作/アンドレア M.)


ちなみに...

紅茶を飲み終えたあと、中身を分解しました。

ところで...

トマトソース・スパゲッティ、ガチで最高。これより美味いイタリア料理なんて存在しない。


9日(土)
冬の雲ビジネスランチ気が重い 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆


9日(土) 忙しくても飯は食うから ~第6歌~

アンの仕事の関係者数人と、昼飯を食いにレストランへ。料理は美味かったけれど、それなりに緊張していたせいか、あまり食べた気がしませんでした。

まぁ、それはともかく...

状況が状況だったので、撮れた写真はこれだけ。アスパラガスとベーコンの(以下の詩の中で、アンドレアが『タリアテッレ』と称しているけれど)パッパルデッラ(とメニューに書かれていた。僕も、どちらかというとタリアテッレだと思う)。


Essendo ispirato da Le nozze di Figaro
 (Loris M.)

O caro o bello o fortunato nastro!
Io non tel renderò che con la vita!
Dammelo per pietà, o fratellastro,
nastro di pappardella ben condita!

[日本語訳]
本歌取り『フィガロの結婚』 (作/ローリス M.)

おお、優しく、美しく、幸せなリボンよ!
絶対に返さないぞ。
おお、兄弟よ、頼むからそれを僕に渡してくれ!
よく味付けされたパッパルデッラのリボンを!


Tagliatella's (Andrea M.)

È lunga, stretta, affilata e al dente
C'è la pancetta 🥓 croccante e pungente
Poi arriva l'asparago sorridente
Quando la mangi sconvolge la mente

[日本語訳]
タリアテッラの
 (作/アンドレア M.)

長くて、幅狭で、細くて、アルデンテで
カリカリでピリッとしたベーコンが入ってて
そこにニコニコしたアスパラガスが
食べると衝撃が走る


10日(日) 忙しくても飯は食うから ~第7(最終)歌~

朝、ファエンツァのバールで朝食をとったあと、その付近の公園を散歩しました。
その後、アンは父親と共に仕事へ。一方、僕は、やつの手伝いで忙しかったのは今週の土曜日までで、来週月曜からは遠足や次回Flussiフルッシの "準備→申請" で忙しくなります。そのため、家に残って英気を養いました。
まぁ、アンは来週からも僕より忙しいのですが、それはともかく...

Anche pepe sta bene (Loris M.)

Mangio un mezzo panino d'uovo sodo
che è condito con sale, così godo.
Ora però, c'è qualcosa che strepe...
Direi, non c'è male il chiasso di pepe.

[日本語訳]
胡椒も合う (作/ローリス M.)

塩で味付けされたゆで卵のパニーノ半分を食べる。
めちゃくちゃ美味い。
あれ、でも、何か騒ぎ立てるものが...
胡椒がふざけるのも悪くない...かな。


10日(日)
晴れるけど寒し明日は三時起き 
エミリア・ロマーニャ州、アンの自宅にて執筆



【イタリア日記⑧】2024年11月(11~20日)』に続く...