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AZ輪廻という体験が伝える物語


果たしてAZKiさんを語る資格が自分にあるのか、
ということで迷っていました。
歌は全部聞きましたよ。
それでも問題は私は
彼女の歌や活動を真に理解できているのかという所です。
開拓者の皆様の熱い活動を目の当たりにしていたから
なおさらそう思います。
だからあえて私は今回のライブに歌を聴き込む事以上しないで臨みました。
そこで果たして何を感じ取れるか、そんな人間を引き込める力があるのか。
偉そうに言うとAZKiさんを試したくなったのです。

「いのち」が伝えたもの

ライブ中彼女はMCで自分の存在についての疑問を口にしました。
それは自分にとっても大変興味深いものです。
果たして彼女達はとても不確かなものです。
明日、彼女が活動を停止したならばそれは彼女の死と表現できるでしょう。
そして彼女は何の為の存在なのか、
それはVTがアプリオリな存在であるかという事と関連しています。
VTというのはそもそも目的ありきの存在であると定義できるでしょう。
彼女の場合は歌う事、それがまず先にあるはずです。
そこを彼女が疑問に思ったのがとても興味深い事ですね。
ライブにおいて、その疑問を「いのち」で私達に投げかけます。
まさに魂の慟哭と呼べる素晴らしい歌声でした。
私達に問いかけると同時にそれを歌う事自体が一つの答えであるような、
そんな素晴らしい歌声に心がとばされたようになりました。

from A to Z

私の趣味の一つに音楽を聞きながら歌う、というものがありまして、
「forom A to Z」のリリース直後に話題になっていたので
何となく歌いながら聞いていました。
お恥ずかしながら、その時はまだAZKiさんの事をよく知らない状態でした。それでもこの歌を何度も聞きながら歌いながら
目から涙が落ちる事をおさえられませんでした。
それが当時不思議で不思議でしょうがなくて、
今回のAZ輪廻にあえて参加させてもらおうと思ったのが発端でした。
VTというのはよく「双方向性」という事で話題になりますね。
でもそれは実は擬似的な双方向性に過ぎません。
実際はマスコミュニケーションとならざるを得ないのが実情です。
もし私がこの曲で感じたものが真実なのだとしたら、
音楽という手段は擬似的な双方向性ではない
コアコミュニケーションを可能ならしむるものなのではないかと思います。
今回のライブにおいて文脈を作り歌われたそれは
AZKiさんのアンサーと感じられました。
それは彼女が歌う目的が歌そのものではない事の証左であると感じます。
となると彼女は
歌→AZKiさん→リスナー
ではなく、
AZKiさん→歌→リスナー
という構図に立つ存在、という事になります。
それはVTとしてまず開拓者達と向かい合い、
そして歌を届ける存在でありたい
という彼女の決意と感じられました。
自分のために、ただ上手く美しく歌うのではなく、
どこかにいる開拓者達に届けるために歌うのだ、
とAZKiさんは歌うことだけで
そこにたまたま紛れ込んだ私にすら証明をしてしまいました。
それはとんでもないことですね。

ちいさな心が決めたこと

この曲を細かく解説するのは野暮ってもんですな。
ただただライブで聞いた時に
こんなにも思われ歌われる開拓者達は何と幸せなのだろうか、
そしてそんな彼らからAZKiさんはどれほどのものを受け取っているのか!

そんな感想を抱きながら皆が高らかに差し上げた手を見ながら思いました。勿論私も感極まって手を伸ばしましたよ。
このライブが最初の曲に収束していくのが
一つの物語の完成として大変美しく感じられました。

それでもここで生きていくと決めたんだ

私は今回のライブを経験して、VTのライブシーンにおいて
アバターの持つ物語性と歌、パーソナリティは不可分なものである
と理解した気がします。
それらは一つの物語として再構成されアバターへ還元されていく。
それを更に次へとつなげていく大きな物語のピースとなるのでしょう。
今回のライブにおける彼女の決意や喜びが
「AZKi」という物語に綴られていくのでしょうね。
きっと彼女の活動はこれからも色々な紆余曲折があるかもしれません。
それでもきっとあの日のライブの光景は絶対に彼女の力になり物語が続き、
そして私達もあの日見たAZKiさんの姿を忘れません。
どれほどの困難の中でも、どれほどの孤独の中でも
私達の為に歌ってくれた彼女の姿を決して忘れないでしょう。
あの子に差し上げられた多くの手はいったい何を求めていたのでしょう。
それとも何かを差し出していたのでしょうか。
あの誇らしく高らかに掲げられた灯りを忘れません。

終わりに

試す、などと偉そうな事を書いた事を謝罪し、
AZKiさん、ツラニミズさん、多くのスタッフの方々、
多くの開拓者達に敬意を表します。
多くの方が関わった物語の完成を言祝ぐと同時に
これからもこの物語を見守る事をお許しください。

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