ドイツでの妊娠と出産の話②
日本では計画出産などありますが、ドイツは基本的にぎりぎりまで自然陣痛に任せます。(計画出産もあるのかもしれませんが、私個人としては聞いたことないです。)
そんな妊娠予定日を超過してからのコアラ(娘)爆誕の話です。
分娩誘発前日
最後の婦人科でのNST(ノンストレステスト/ドイツ語:CTG)をやったところ、子供の波長が2回急激に下がっているところがあり、心配なので今から病院に行ったほうがいいとのこと。
家に帰り夫に伝え、病院に電話をし、準備していた荷物一式を念のため持って病院に迎いました。夫は私が妊娠してからほとんど在宅勤務に変えてもらっており、子供が産まれた日から休暇2週間とれるよう上司に話していました。フレキシブルに対応してくれる会社で感謝。
なので、上司に一言言うだけで病院に迎えました。
NSTの結果を見せたところ、助産師さんが「これ設定まちがっていない?」と内々で話していました。
私たちは「?」って感じでしたが、とはいえ万が一ということもあったので、陣痛室でNSTを1時間受けました。
隣のベッドでは、分娩誘発をしている人がおり、同じ境遇ということから、仲良くなりました。
そこで知ったのが、分娩誘発は初産の場合、2日かけて行われるとのこと。てっきり誘発したら陣痛がその日のうちに来て、爆誕だと思っていたので、びっくりでした👀
その人たちも当日知らされたようで、暇つぶしになるものを持ってきたほうがいいわよと教えてくれました。
結局ベビーは元気で異常は見られないという結果で、医者が来るまで待機となり、別室というか事務室みたいな場所へ追いやられました。
事務員の人が使っているパソコンが画面ロックされないで放置されており、セキュリティーやばいねと夫と話していました。
待ってる間に、分娩室からすごい悲鳴が聞こえ、私も明日明後日には同じ感じなのかなとドキドキ。
しかし待てど待てど誰も来ない。ドイツあるある、忘れられたのかと思いつつ、14時前でおなかもすいてきたので、1時間ぐらいお昼を食べに行ってもいいかと聞いたらよいと。
お昼を食べ、戻ったら上級医師(Oberarzt)が診察をして、羊水の量も大丈夫なので、このまま分娩誘発をしてもいいけど予定通り次の日でもいいとのこと。
本来分娩誘発をする場合は、朝来て夕方までかかり、今からやっていたら何時に終わるのかわからなかったので、予定通りにしました。
婦人科でのNSTの結果は、測定器の時間設定がおかしかったそうです。
長年やってる人だしそんなことあるの?って不思議でした。
隣で誘発していた人に挨拶をして、なんだか拍子抜けな気分で家に帰りました。
分娩誘発1日目
朝8時30分ごろに病院に行き、分娩誘発を開始しました。
NSTをしながらオキシトシンを点滴でうち、様子を見て速度を上げていきました。
お隣さんはやはり昨日と同じ人で、明日は自分に何が起きるのか、まるで実験体を見ているような気分でした。
彼女もまるでモルモットだわと、朝の段階では余裕そうでした。
前日にばっちり教えてもらっていたので、Netflixでいくつかの動画をダウンロードし、PCで夫とみていました。
なお、この点滴だけで陣痛を引き起こすのは、初産ではほぼないそうです。
そのため、点滴はされているものの、違和感を感じることもなく終わりました。ベビーもまさか、強制的に引きずり出されるだなんて思っていないでしょうね。
隣の人は、時々外を歩いていたり、夕方ぐらいからだんだん陣痛の痛みが来ているようでした。
私は点滴が終わり、NSTをして問題がなかったので家に帰りました。
分娩誘発2日目
朝同じ時間に行き、この日から入院するので手首にタグがつけられました。
子宮口の開き具合を助産師さんが確認。この時点では1㎝ほど。その後、膣剤を入れて陣痛を待ちました。
この日は、Switchを持ってきていたので、ゼルダの伝説(ティアキン)で遊んでいました。隣にはドイツ語がしゃべれないインド人のご夫婦。
助産師さんに昨日までいたお隣さんのことを聞いたら、ちょっと話題になっていたそうです。というのも、彼女も初産だったのに、陣痛が来てからあれよあれよと進み、19時頃には子宮口全開で産まれたそうです。合計2時間かかったぐらいだったとか👀彼女の旦那さん、一時的に病院を抜けなければならず、急いで戻ってきたら19時でベビー産まれる手前で焦ったそうです。まさか、こんなに早くお産が進むとは、誰も予想していなかった結果となりました。
夕方病院を散歩していたら、ベビーと旦那さんと3人でいるところに偶然会いました。「助産師のチームが最高だった。ともかく、助産師が言うことを聞いてその通りにすれば大丈夫よ」とアドバイスをもらいました。まるで昨日産んだとは思えない回復っぷりでうらやましかったです。私たちの出産もあんな感じだといいね!ってこの時は何も知らず、のんきに話していました。
また、ちょうど偶然両親学級に参加していた男性にも会いました。聞いたところ、おととい子供が産まれた、今入院していると。そうです。二日前に聞いたあの悲鳴、実はこの男性のパートナーのものでした。
かなり難産だったようで、男性にとってはお産はいい思い出ではないようで、帝王切開になるかもという話が出ていたけど頑張って自然分娩で産めたそうです。
みんな赤ちゃんがでてきて、うちのコアラはいつ来るんだろうか。
19時頃に病室の準備ができたので、そちらに移りました。
夜ご飯は、看護師さんが残り物を持ってきてくれました。
ファミリールーム
この病院は、基本二人部屋です。一人部屋もありますが、プライベート保険の人専用です。ファミリールームを希望する場合、二人部屋のお部屋を一家族で使えるようにします。もちろん、混んでたら使えないのですが、私が入院した時は、ほぼ全部屋(10部屋)ファミリールームで使っていたと思います。費用は旦那の分だけ別途自腹(3食付き:80EURx宿泊数)でした。
うさぎが家にいるので、旦那は朝晩と2回家に帰らなければいけませんでしたが、やはり日中だけでなく、夜中旦那がいるのといないのだとまったく異なると思います。
特にドイツは産まれたその瞬間からずっと同室、赤ちゃんを看護師さんに預けるといったことは中々できないので、休める暇もありません。
誘発したその後
じわりじわり痛くなってきました。最近知ったんですが、誘発剤の陣痛は通常の陣痛より痛いそうです😨
余談ですが、ここの病院は、分娩室・陣痛室に入るのに、インターホンを押さなければならないのがちょっとめんどくさいです。
出産して分娩室を出ると、基本的にもう助産師さんとはおさばらです。
20時頃にいったんNSTを取るため陣痛室に行きました。
NSTをして陣痛も来ているけど、分娩室に入るほどではないので、とりあえず陣痛が進むのを待つしかないので病室に戻ることになりました。
また、湯たんぽを使っていたので、「湯たんぽが好きな人は入浴すると痛みが和らぐ人が多いから、入りたくなったらいつでも言ってね」と。
部屋に戻りトイレに行ってパンツを下ろした瞬間事件発生!
なんと、出血しているではないか😰破水とかの前に出血するなんて知らなかったので、とりあえず助産師さんのもとに戻りました。
浴槽のある部屋に行き、子宮口をチェックしました。お産が進んでいる証拠な感じで、そのままお風呂につからせてもらいました。
22時頃だったと思うのですが、つかり始めたら助産師さんがきてシフト交代だそうです。いい助産師さんだったので、悲しいですがしょうがない。
ちゃぷちゃぷしてたら、次の助産師が様子を見に来てくれました。この人もすごくいい感じの人。
しばらくしたら、子宮口がリラックスしすぎたのか、ものすごいいきみたい感覚がやってきました。そして腰が痛い。何回かそんな感覚を体験した後、本能的にこれはやばい。と思いお風呂からでました。病室に戻るのかと思ったら、そのまま分娩室へと案内され、病院服に着替えてと。
パンツはこれ。網のパンツとナフキンのようなもの。
ドイツ、もしくはヨーロッパあるあるだと思いますが、最初私も見たときは、えっ、って思いました。しかし、慣れると結構快適。しかも、病院にあるものは自由に使っていいので、気兼ねなく使えました。
ちょっとしたら出血具合を見たいから一緒にトイレに来てと。
そしたら、なんと盛大に破水してました。全く気付かなかった!
破水のにおいは確かに生臭い感じでかなり独特でした。一度においをかいだら、破水かどうかすぐにわかるくらいです。ただ、ここで心配したのは緑ぽかったのです。
緑は赤ちゃんが苦しいよーと言っている証拠らしいので、ちょっと焦る私。しかし、助産師さんは大丈夫よって感じでした。NST上は問題ないんでしょうね。娘、羊水なくなって不機嫌になったんか?
痛み止めと麻酔(PDA)
いよいよ痛くなり、腰がーーーって思ってたところで痛み止めのParacetamol(パラセタモール)を点滴でもらいました、まったくもって効かなかったですね。
最初から無痛麻酔(ドイツで通称:PDA)をもらえることもできますが、ここの助産師さんたちは軽いものから案内するそうです。PDAの効き目はいいけど、後々お産でうまくいきめなかったりする可能性もあるからということでしょう。笑気ガスというのもありますが、私は使いませんでした。
助産師さんもなんだか「効かないわよね(失笑)」って感じでした。なので割とすぐにPDAの準備をしてもらうようお願いしました。
麻酔科の人が来て、説明を受けました。事前に書類はもらっていたので、用意してたんですが、「医師の説明を聞きました。」というサイン欄だけ空欄にしていました。ここにきてサインを求められ、適当にサインした記憶があります。だって痛いんですもん!悠長にサインなんかしてる余裕はないです。
こっから大変だったのが、ベッドわきに座って、体を丸めなきゃいけないんですが、おなかが大きく腰が痛いので、逆に反っちゃう感じになり難しいのなんの。
麻酔科医もちょっと苦労している感じで、男性の研修医みたいな人に、がっしり抑えられて何とか出来ました。
この時はこれにて痛みがなくなり、夜中寝れる…と思って安堵していました。
ちなみに、時間は23-24時ごろ。子宮口は4㎝ぐらいの開き具合。こんなに痛いのに4㎝。無痛麻酔のない時代に産んだ人、ほんとすごいです。
そして、誘発中にいたお隣さん、2時間で産んだとかどういうことですか。
ある意味うらやましすぎる。
長くなりそうなので、次回に続きます。次こそは、産まれると思います。
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